フロンティヌス(英語表記)Sextus Julius Frontinus

改訂新版 世界大百科事典 「フロンティヌス」の意味・わかりやすい解説

フロンティヌス
Sextus Julius Frontinus
生没年:30ころ-104

ローマ政治家著作家法務官(プラエトル・ウルバヌス),コンスル,ブリタニア州総督,ローマ市水道管理官などを歴任職務に関する技術的手引書を多く著した。2巻の土地測量法に関するものは引用のみ残存し,《軍事技術書》は失われた。指揮官のための《戦術書》は4巻残存するが,第4巻は彼のものでないとされている。《ローマの水道について》では水の供給水量調節,管理に関する多様な資料を用いている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フロンティヌス」の意味・わかりやすい解説

フロンティヌス
ふろんてぃぬす
Sextus Julius Frontinus
(30ころ―104ころ)

ローマの政治家、著作家。コンスル(執政官)やブリタニア州総督などを歴任したが、軍事技術書や測量、水道設備などに関する専門的技術書を著した。このうちギリシア、ローマの兵法を解説した『戦術論』Strategemata(四巻)、およびローマ市水道管理官在職中から書き始められたローマ市の水道とその歴史に関する『ローマの水道について』De aquis urbis Romae(二巻)が現存している。

[島 創平]

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