デジタル大辞泉 「ブラインドサッカー」の意味・読み・例文・類語
ブラインド‐サッカー(blind soccer)
[補説]B1~3は、国際視覚障害者スポーツ協会(IBSA)が定めた視覚障害の程度によるクラス分け。
B1:全盲から光覚まで
B2:矯正後の診断で、視力0.03まで、ないし、視野5度まで
B3:矯正後の診断で、視力0.1まで、ないし、視野20度まで
視覚障害者の選手4人と、健常者または弱視者が務めるGKの5人制。鈴が鳴る専用のボールを使用する。選手にボールやゴールの位置を知らせる「コーラー」が相手ゴール裏から指示を出し、音を頼りにプレーする。コートはフットサルとほぼ同じ広さで、ボールが外に出ないよう、サイドラインに壁が置かれている。日本はパラリンピック初出場。
更新日:
出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
視覚障害者のために考案されたサッカー。正式名称は視覚障害者5人制サッカーで、略称ブラサカ。競技はFIFA(国際サッカー連盟)が定めたフットサルを一部修正したルールで行われる。障害の程度に応じたB1クラス(全盲)とB2/B3クラス(弱視)の二つのカテゴリーがある。B1~B3とは国際視覚障害者スポーツ協会(IBSA:International Blind Sports Federation)が定めた障害の程度によるクラス分けで、B1は視力ゼロから光を感じる程度(ただしどの距離・方向からも手の形を見分けることができない)、B2は手の形を認識できる程度から視力0.03以下か、視野が5度未満あるいはその両方、B3は視力が0.1以下か視野が20度未満あるいはその両方となっている。
B1クラスの1チームは7人編成で、4人のフィールドプレーヤーとゴールキーパーに加え、プレーヤーに声で指示を送るコーチとコーラーで構成される。このクラスのフィールドプレーヤーは、視力の差をなくすために全員アイマスクを着用する。ゴールキーパー、コーラー、コーチはB2/B3クラスの者か晴眼者が務め、ゴールキーパーはおもに味方ディフェンダーに、コーラーは攻撃する側のゴールの裏に立ってオフェンスに、コーチはフェンス(サイドライン)の脇に立っておもにミドルエリアにいる選手に対して声のガイドを行う。また、コーチは全体の監督の役割も担う。ボールは中に鈴が入っていて音が鳴る特殊なものを使用する。サイドライン上にはクッション素材のフェンスがあり、このフェンスを利用した戦術も可能である。また、危険な接触を防ぐため、ボールを保持した相手に対し「ボイ!Voy!(スペイン語で「行く」の意味)」というかけ声をかけなければならず、これを怠ると「ノースピーキング」という反則となる。B2/B3クラスの競技は1チーム5人で、コーチやコーラーは参加しない。チームは弱視者と晴眼者の混合編成で、アイマスクは着用せず、ルールはフットサルとほぼ同様、ボールもフットサル用のものを使用する。ただしB2の選手がつねに2人以上フィールドに出ていなければならない。B2/B3クラスは視覚障害者と健常者が同じフィールドにたつユニバーサル競技としても行われている。どのクラスも試合時間は前半後半各25分の計50分間で行われ、10分間のハーフタイムがある。
ブラインドサッカーは1980年代に考案され、ヨーロッパや南米などで盛んになった。日本でIBSAによる国際ルールが導入されたのは2001年(平成13)であるが、それ以前から盲学校などで独自ルールを設けて競技されていた。2001年に現在の日本ブラインドサッカー協会(JBFA:Japan Blind Football Association、2010年に「日本視覚障害者サッカー協会」から改称)の前身、「音で蹴るもうひとつのワールドカップ実行委員会」が発足。2003年に初めての全国大会である日本視覚障害者サッカー選手権大会が開かれた。2010年時点の国内競技人口はおよそ400人で、小中学校の教育プログラムや総合学習の授業では、仲間との交流や信頼関係を自然に学べるとし、ブラインドサッカーを授業に取り入れる動きもある。2004年よりパラリンピック正式種目。
[編集部]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(2014-11-25)
米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加