ヘイアウ(英語表記)heia'u

改訂新版 世界大百科事典 「ヘイアウ」の意味・わかりやすい解説

ヘイアウ
heia'u

ハワイの宗教遺跡。その形態は実に多様で,地域的にはある程度の類似性が認められるが,今もって型式分類ができていない。その原因は,構築の責任者である僧侶が多くのヘイアウを参考にしたうえで,新しい設計をしたことによるらしい。ハワイ島マウナ・ケア山頂にある敷石立石を配した小型のもの,石壇上に石像を並べたネッカー島のものなどは早期の型式を示し,後期になるにしたがい規模が大きくなる。長方形で周壁をもつもの,周壁のないもの,段丘上に造られたものなどがある。低い祭壇の前や周壁上に神像をたて,祭壇近くに神託を授ける塔,供物用の台,儀式用器物収納小屋をもつのが基本的型式であるが,現在は残存する礎石や柱穴が認められるにすぎない。大酋長たちの建てたルアキニ級のヘイアウでは人身御供も行われた。ハワイ島コナにカメハメハ1世が建てたアフエナ・ヘイアウは復元されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘイアウ」の意味・わかりやすい解説

ヘイアウ
heiau

ハワイ諸島において見出される宗教関係の建造物遺跡の一般名称。石積みによる基壇などが残存することによって判明するが,その形態,寸法はさまざまで,囲壁をめぐらすもの,囲壁の一方が開いたもの,階段状に基壇を重ねるものなどが種々の組合せで造られ,平面形も方形,長方形のほか,円形のもの,自然地形を利用したものなどがある。構築も1度でなく,何度にもわたって増築変形を行うことも多い。村落のなかではなく,やや離れて造られることが多く,その目的も単一とは考えられない。

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