ヘキソキナーゼ

化学辞典 第2版 「ヘキソキナーゼ」の解説

ヘキソキナーゼ
ヘキソキナーゼ
hexokinase

EC 2.7.1.1.下記の反応により,多くのD-ヘキソースおよびその誘導体のリン酸化を触媒する酵素である.

   D-ヘキソース + ATP

D-ヘキソース6-リン酸 + ADP   

細菌,酵母,糸状菌のような微生物,高等植物および動物組織に含まれ,酵母から結晶化された.基質として,一般にD-グルコースD-フルクトースD-マンノース,2-デオキシ-D-グルコース,D-グルコサミンが用いられ,D-キシロース,D-リキソース,6-デオキシ-D-グルコース,N-アシル-D-グルコサミンはきっ抗的に酵素作用を阻害する.ヌクレオチドに対する活性は,酵母標品の場合,ATP,デオキシ-ATP,ITP,UTP,CTP,GTPの順で減少することが示された.酵素活性は Mg2+ によって高められ,SH試薬アロキサンによって阻害される.[CAS 9001-51-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「ヘキソキナーゼ」の意味・わかりやすい解説

ヘキソキナーゼ
hexokinase

糖代謝に関与する酵素。ヘキソース(六炭糖)の6位の炭素ATPのリン酸基を付加する次のリン酸化反応を触媒する。

この反応は解糖作用の初期段階に位置し,Mg2⁺,Mn2⁺などの2価イオンを必要とする。肝臓筋肉,脳,酵母などのような糖代謝の盛んな細胞に多く分布する。反応はSH試薬SH基と反応して酵素の機能を抑制する試薬),とくにヒ素で阻害される。酵母では結晶が得られ,分子量は約12万で,二つのサブユニットから成立する。
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栄養・生化学辞典 「ヘキソキナーゼ」の解説

ヘキソキナーゼ

 [EC2.7.1.1].グルコース,フルクトースを基質としてATPのγ位のリン酸をこれらの糖の6位のヒドロキシル基に転移して糖のリン酸エステルにする反応を触媒する酵素.I,II,III,IV型がある.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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