ヘリオドロス
へりおどろす
Heliodoros
生没年不詳。3世紀ごろの古代ギリシアの小説家。シリア出身で4世紀の人ともいわれる。ギリシアの恋愛物語のなかではもっとも長い『エチオピア物語』(別名『テアゲネスとカリクレイア』)の作者。捨てられたエチオピアの王女がギリシアの青年と恋に落ち、さまざまの危険にあいながら各地を放浪したのち、故郷で結ばれるまでを描く。物語の展開が巧みで、ルネサンス期に再発見され、セルバンテスやタッソなどに影響を与えている。
[引地正俊]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ヘリオドロス
Hēliodōros
3世紀のギリシアの恋愛物語作者。シリアのエメサ出身。当時の小説中で最もすぐれた『エチオピア物語』 Aithiopikaの作者。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
ヘリオドロス【Hēliodōros】
古代ギリシアの小説家。生没年不詳。アジアの出身でシリアに生まれた紀元後3世紀ごろの人と考えられているが,伝記については詳しいことはわからず,あるいは4世紀に活躍したとの説もある。残されている作品は《エチオピア物語》の名で知られる《テアゲネスとカリクレイア》の1作だけである。これは散文で書かれた全10巻の恋愛小説で,現存する古代ギリシアの小説のうち最も長く,叙述の技法などからも注目すべき作品である。【引地 正俊】
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
世界大百科事典内のヘリオドロスの言及
【エチオピア物語】より
…ギリシア作家ヘリオドロスによる10巻の恋愛小説。現存する古代ギリシア小説の白眉とされる。…
※「ヘリオドロス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報