ベックマン転位(読み)ベックマンてんい(英語表記)Beckmann rearrangement

  • ベックマン転位 Beckman rearrangement

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ケトオキシムが五塩化リンまたは各種の酸の作用により酸アミドに変化する分子内転位反応。 1886年 E.O.ベックマンによって発見された。6-ナイロンの原料であるカプロラクタムは,シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位によって合成される。

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世界大百科事典 第2版の解説

ケトンのオキシムに酸(プロトン酸またはルイス酸)を作用させると転位してアミドを与える反応。1886年ドイツの化学者E.O.ベックマンにより見いだされた。ベックマンはベンゾフェノンオキシムに五塩化リンPCl5を作用させるとベンズアニリドが生成することを初めて見いだした。その後,一般式(式(1))に示すように,種々のケトンのオキシムが同様の転位を行うことが示された。触媒として,五塩化リンのほかに,塩酸硫酸,臭化水素酸,ヨウ化水素酸,塩化アセチル,無水酢酸などが有効である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ケトンのオキシムに五塩化リンあるいは濃硫酸、ポリリン酸、塩化ベンゼンスルホニルなどを作用させると置換アミドが得られる反応。有機合成に重要な反応である。1886年ドイツのE・O・ベックマンは、ベンゾフェノンオキシムが五塩化リンと激しく反応してベンズアニリドを生成することをみいだした。

 ベックマン転位では、オキシムのヒドロキシ基に対してアンチの位置にある基が窒素に転位し、転位基の光学活性は保持される(図A)。シクロヘキサノンオキシムからカプロラクタムへの転位は、ナイロン原料の製造工程としてよく知られている(図B)。[湯川泰秀・廣田 穰]

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化学辞典 第2版の解説

ケトンオキシムに,PCl5,酸塩化物,H2SO4,ポリリン酸,ルイス酸などを作用させると,オキシムのOH基に対しアンチの位置にある基がOH基と入れかわって酸アミドになる分子内転位反応.

シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位によって,ナイロン6の原料であるε-カプロラクタムができる反応は,工業的に重要である.

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