ペーシュワー(その他表記)Peshwā

改訂新版 世界大百科事典 「ペーシュワー」の意味・わかりやすい解説

ペーシュワー
Peshwā

インドマラーター王国の宰相のこと。元来王国創建者シバージーの8大臣中の一つの官職名であった。王国第5代王シャーフー(在位1708-49)のとき,弱体化した王に代わってペーシュワーのビシュワナートが実権を握る。続く2代目のバージー・ラーオ1世(在職1720-40)がプネープーナ)にペーシュワー政権を樹立し,ここに新しい体制が始まった。ペーシュワーはマラーター同盟頂点に君臨したが,その実権も第4代マーダバ・ラーオ(在職1761-72)の死後弱くなり,加えてマラーター諸侯間の対立も激化してイギリスの進出を許すことになった。
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関連語 内藤

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ペーシュワー」の解説

ペーシュワー
peshwā

インドのマラーター王国の宰相。この語はペルシア語で「指導者」をさしたが,デカンでは「大臣」を意味するようになった。1713年にコンカン地方出身のバラモンのバーラージー・ヴィシュワナートがこの職に任じられると,約1世紀の間彼の子孫が代々この職につき,マラーター王国の実権を握り,インドの諸勢力の動向に大きな影響を及ぼした。しかしその末期には実権は家臣の手に移った。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペーシュワー」の意味・わかりやすい解説

ペーシュワー
peshwā

ペルシア語で先導者,指導者の意。インド史においては,シバージー創始者とするマラータ王国の宰相がペーシュワーと呼ばれたことで有名。 18世紀初めより約1世紀間,マラータのペーシュワーは実際上,すべての政治権力を掌握し,その地位は世襲された。

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