フランス北部,オアーズ県の県都。パリの北76kmに位置する。人口5万2365(1982)。ガリア時代に始まり,中世都市として繁栄した。1096年都市自治権を獲得。中世より18世紀にかけてはフランス毛織物工業の中心地の一つであり,1664年にはコルベールによって王立タピスリー工場が創設され,タピスリーの産地として知られた。11世紀以来,司教座が置かれる。現在は政治の中心ではあるが,経済面では遅れをとり沈滞している。
執筆者:二宮 宏之
サン・ピエール大聖堂はゴシック建築史上比類なき高さを誇る(ボールトの高さ48.20m,尖塔153m)。その建造は949年に始められたが,1180年と1225年の火災で大部分が崩壊。現在の建物は,1225年の火災の後に建造された内陣部が最も古い。1284年に内陣のボールトは崩壊したが,柱間を半分にして柱を加え再建がなされ,14世紀初めに完工をみた。袖廊(トランセプト)は16世紀半ばに完成し,西正面の装飾はフランボアイヤン様式によっている。
執筆者:馬杉 宗夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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