ボーラ
bola
石をそれぞれ一方の端にとりつけた3本のひもを1ヵ所でつないだ,一種の狩猟用投石具。石の一つをもって頭上でふりまわし,獲物に投げつける。石が直接獲物の頭にあたって倒すこともあるが,逃げ足のはやい動物の足にからませて転倒させるために主として用いられる。アルゼンチンの草原の原住民の狩猟具として有名であるが,ケニアのオロルゲサイリー遺跡で出土した3個一組の小石がボーラであるとすると,その起源は50万年も昔にさかのぼることになる。
執筆者:大貫 良夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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ボーラ
bolas
ラテンアメリカインディアンの武器の一種。スペイン語ではボレアドラスと呼ばれる。石の球を長い紐の先端につけ,頭上で紐の一端をもち,振回して投げ,動物の足にこれをからませて倒す。球は1個のものと,2個,3個を組にしたものとあり,動物の皮に包まれていることもある。主として狩猟用であるが,民族間やスペイン人との戦争にも用いられた。近代には主としてウルグアイとアルゼンチンのガウチョが用いたが,1球式のものはウル族がカモ猟に用いている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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ボーラ
ぼーら
bola
狩猟用の投擲(とうてき)具。何本かの綱が一端で結び合わされ、それぞれの綱の他端におもりがついている。おもりは、石や石を皮でくるんだものが使われ、これを投げ縄と同じ要領で投げ、獲物に絡み付かせる。南アメリカ最南端のパタゴニアの先住民は、グァナコ(ラクダ科動物)、レア(アメリカ・ダチョウ)の狩猟に、北アメリカのエスキモーおよびイヌイットは鳥を落とすのに使った。また東アフリカでは子供の遊戯に用いられた。
[関 雄二]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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ボーラ〔マセラティ〕
イタリアのマセラティが1971年から1978年まで製造、販売していた乗用車。2ドアクーペ。ミッドシップ形式の後輪駆動を採用した高級スポーツカー。イタリアの工業デザイナー、ジウジアーロがデザインを手掛けた。
ボーラ〔フォルクスワーゲン〕
ドイツのフォルクスワーゲンが1999年から2006年まで製造、販売していた乗用車。4ドアセダン、およびステーションワゴン。4代目ゴルフと主要部品を共有する。
出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報
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世界大百科事典(旧版)内のボーラの言及
【投弾】より
…日本では西日本の弥生時代遺跡から,紡錘形の土製投弾の出土例がある。ほかに弾を投ずる武器・狩猟具としては,2個から数個の石を紐で結びあわせたものを投じ,獣の足などにからませる[ボーラ]bolasがあり,アフリカ,ヨーロッパ,中国の旧石器時代に,また極北(エスキモー),南アメリカのパタゴニアの民族例にある。なお〈弾〉の字はもともと弓で発射する弾をさし,弾弓は古代中国やインドの民族例に知られ,また正倉院宝物にもある。…
※「ボーラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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