ポアズイユの法則(読み)ポアズイユのほうそく(英語表記)Poiseuille's law

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ポアズイユの法則
ポアズイユのほうそく
Poiseuille's law

十分に長く細い円管を通して単位時間に流れる流体の量 Q は,管の半径 a の 4乗と,単位長さあたりの圧力降下(圧力勾配)Δp に比例し,Q=πa4Δp/8μで与えられる(μは流体の粘性率)。このとき,管軸方向の圧力差と管側壁に働く粘性力が互いに釣り合っている。これは,1839年に G.ハーゲン,1840年に J.ポアズイユによって導き出されたもので,これをポアズイユの法則,またはハーゲン=ポアズイユの法則という。この法則が成り立つとき,流れは管軸に平行な流線をもつ層流であって,流速 u は,管軸からの距離を r とすると,u=(Δp/4μ)(a2r2)で表される。ただし,この層流が実現するのは,レイノルズ数R=2aūρ/μ(ρは流体の密度,ū は平均流速で,Qa2)の値が約 2000以下のときであって,R がそれ以上になると,流れは一般に乱流になり,この法則は成り立たなくなる。

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デジタル大辞泉の解説

ポアズイユ‐の‐ほうそく〔‐ハフソク〕【ポアズイユの法則】

細い円管を流れる流体の量に関する法則。単位時間当たりに流れる流体の体積は、管の半径の4乗および間の両端の圧力差に比例し、管の長さおよび流体の粘性に反比例するというもの。19世紀にドイツのG=ハーゲン、フランスのJ=ポアズイユにより別々に見出された。ハーゲン‐ポアズイユの法則

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法則の辞典の解説

ポアズイユの法則【Poiseuille's law】

毛管内の液体の運動について,与えられた量の流体が流出するのに要する時間は,管の長さに比例し,両端の圧力に逆比例し,管の直径の4乗に逆比例する.これは最初ハーゲン(G. Hagen)とポアズイユ(J. Poiseuille)がそれぞれ独立に実験的に発見したものであり,そのためハーゲン‐ポアズイユの法則*と呼ぶこともあるが,のちにヴィーデマン(G. Wiedemann)が理論的に導いた.単位時間当たりの流出量は (πd4/8μ)(pip0)/l で与えられる.ここで d は管の半径,η は粘性率,pip0 は圧力差,l は管の長さである

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ポアズイユの法則
ぽあずいゆのほうそく
Poiseuille's law

細い円管を流れる流体の量は管の両端の圧力差と管の半径の4乗に比例し、管の長さと流体の粘性に逆比例するという法則。1839年にドイツの水理工学者ハーゲンGotthilf Hagen(1797―1884)と、続いて40年にフランスの医師・物理学者ポアズイユJean L. M. Poiseuille(1799―1869)によって独立に実験的にみいだされたので、ハーゲン‐ポアズイユの法則ともいう。理論的には単位時間の流量Qは(π/8)(p1p2)a4/(ηl)で与えられる(p1p2は管の両端の圧力差、lは管の長さ、aは半径、ηは粘性率)。この法則は粘性率の測定の基礎となる。流れのレイノルズ数R=ρUd/η(ρは密度、d=2aは管の直径、Uは平均流速:流量/管の断面積)が約2000以上の場合(たとえば太い円管)には流れは乱流となり、この法則は成り立たない。[今井 功]

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世界大百科事典内のポアズイユの法則の言及

【ハーゲン=ポアズイユの法則】より

…ポアズイユの法則ともいう。細いまっすぐな円管の両端に圧力差を与えたときの流体の流量を支配する法則。…

※「ポアズイユの法則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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