一様な水の流れの中に円柱を置いてみる。流速が小さいと、水は物体を迂回(うかい)しつつ一様なまま定常的に流れていく。このとき水の流線は交わらない。このような流れを層流という。流速をあげていくと、物体の後ろ(下流)側に流線の閉じた渦が発生するようになる。さらに流速をあげると、発生した渦は円柱からはがれて、全体の流れに沿って下流側へ流されていくようになる。この状態を乱流の発生とよぶ。しかし、円柱からすこし離れたところでは流れは定常的で、流線は規則正しい形をしており層流の状態を保っている。乱流が発生すると物体への抵抗が大きくなる。したがって、船や飛行機は乱流が発生しにくいように設計されており、それを流線形とよぶ。魚を上から見ると流線形であることがよくわかる。
[池内 了]
液体が固体壁に接して流れている場合,そのレイノルズ数が臨界レイノルズ数以下であると,たとえ最初流体内に乱れがあってもこれが流体の粘性のために減衰して,流れに直角方向にはもちろん,流れの方向にも乱れをもたない整然とした層状の流れになる.これを層流という.層流の特徴は,流体の分子としての乱れ運動(熱運動)はあっても,集団としての乱れ運動のないことである.管壁のごく近傍では,臨界レイノルズ数以上であっても薄い層流層が存在し,これを層流底層または境膜という.層流は粘性力が慣性力よりも支配的な場合の現象であるので,流体と流体または固体との間の抗力は,相対速度,粘性係数に比例して流体密度には無関係になる.その例がポアズイユの式,ストークスの式である.[別用語参照]ポアズイユの法則,ストークスの法則,粘度
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…しかし実際には,管壁との摩擦によって壁近くでは遅く,管の中央で最も速く流れる。その速度分布は,流れが層流か乱流かによって大きく変化する。平均流速,内径d,流体の密度ρ,流体の粘性率μから計算されるレーノルズ数Re=ρd/μが小さい(約2300以下)ときは,管内の流れは層流となり,図-aに示すように放物線状の速度分布となる(最大速度は平均速度の2倍)。…
…乱流とは流体力学上の用語で,流体の各部分が平均流のまわりに不規則な運動をしながら流れる状態をいう。これに対して各部分が規則正しく流れる状態を層流という。層流から乱流への転移は,臨界レーノルズ数を超えたときに起こることが知られている。…
…このように規則性の乏しい流れを一般に乱流と呼ぶ。乱流に対比して,いわゆる流線形物体のまわりに実現される規則性の強い流れを層流laminar flowという。しかし,このような流れの分類は必ずしも確固たるものではなく,自然現象や各種の工学的機器内外で見られる流れにおいては,その不規則性の程度に大きな差異がある。…
※「層流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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