マスチフ(読み)ますちふ(英語表記)mastiff

翻訳|mastiff

精選版 日本国語大辞典 「マスチフ」の意味・読み・例文・類語

マスチフ

〘名〙 (mastiff)⸨マスチーフ⸩ 犬の一品種。チベットの古代犬を、イギリス猟犬闘犬改良。最も大形の犬に属し、体高は七五センチメートル以上。体形土佐犬に似ており、短毛で、毛色虎毛・銀・淡黄褐色など。番犬によく使われるが、性格は温和で、愛玩犬にも適する。
社会百面相(1902)〈内田魯庵〉犬物語「犬を珍重して今の『マスチッフ』だの『グレイハウンド』だのといふ奴が」

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デジタル大辞泉 「マスチフ」の意味・読み・例文・類語

マスチフ(mastiff)

犬の一品種。チベットの原産で、英国で改良。大形で体はたくましく、耳は垂れる。毛は短く、淡黄褐色や虎毛で、鼻先などが黒い。古くから護身犬・猟犬や闘犬に用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マスチフ」の意味・わかりやすい解説

マスチフ
ますちふ
mastiff

哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。家畜イヌの1品種で、チベット地方のマスチフが中近東からヨーロッパに渡って作出されたとみられる。巨大で重厚みがあり、筋肉がよく発達し、体つきも頑健で力強い。短毛で、頸(くび)も太くてたくましく、のどには皮膚のたるみがある。古くから番犬、獣猟犬、護身犬として飼われ、古代ローマ帝国時代は闘犬としてライオン、クマ、ウシなどと戦わされた。マスチフが3頭いればクマを倒し、4頭いればライオンに勝つとさえいわれたほどの強い闘争力をもつ。毛色はフォーンや虎毛(とらげ)で、口吻(こうふん)、耳、目の周囲、鼻などは黒いものがよいとされる。体は大きいものが好まれ、体高は雄で75センチメートル以上、雌で68センチメートル以上。日本では土佐闘犬の作出に用いられた。

[増井光子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マスチフ」の意味・わかりやすい解説

マスチフ
mastiff

イヌの1品種。原産地はアジアで,中近東からヨーロッパに持込まれたものと思われる。狩猟犬,番犬,闘犬から作り出された大型犬で,日本では土佐犬を作るのにも用いられたとされるように,世界の大型犬の基礎となっている。筋肉はよく発達し頑強な骨格をしている。体毛は短毛で,毛色は一般にアンズ色,茶色,黄褐色のほか虎毛もある。ただし,耳,口吻,目の周囲の色は濃いもののほうがよいとされている。外見に似合わず性格は穏和で,よく人になれる。体高は雄 76cm以上,雌 68cm以上。

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