カナダ北部を流れる大河川。通常,グレート・スレーブ湖から北極海(ボーフォート海)までの1800kmの部分をマッケンジー川と呼ぶが,その上流にもスレーブ川,ピース川,フィンレー川,アサバスカ川などの大支流が続き,ロッキー山脈に発する源流から河口までの最長延長は4240kmにも達する。世界13位,北アメリカではミシシッピ・ミズーリ水系に次いで2位である。この水系の流域総面積は166万8000km2。流域にはグレート・ベア湖,グレート・スレーブ湖,アサバスカ湖など大小無数の湖が含まれる。冬季は結氷する。1789年にアサバスカ湖から上流を探検したA.マッケンジーにちなんで命名された。
執筆者:正井 泰夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
カナダ、ノースウェスト・テリトリーズを北西に流れ、北極海のボーフォート海に注ぐカナダ最大の川。狭義(グレート・スレーブ湖から河口まで)の長さは1790キロメートル。ブリティッシュ・コロンビア州北部のロッキー山脈中に源を発するフィンレー川が東進してピース川、アサバスカ湖からスレーブ川となり、グレート・スレーブ湖に注ぐ上流諸川を含めた全長は4220キロメートルに達する。グレート・スレーブ湖からはマッケンジー山脈の東麓(とうろく)を流れてマッケンジー低地をつくり、無数に池沼のある森林ツンドラ地域が広がる。6月~10月中旬は氷が融(と)け、河口からグレート・スレーブ湖まで航行できる。1789年にアレキサンダー・マッケンジーが発見し、ハドソン湾会社が流域各地に物資交易所をつくった。
[大竹一彦]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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