日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ノースウェスト・テリトリーズ
のーすうぇすとてりとりーず
Northwest Territories
カナダ領の北緯60度以北で、ハドソン湾とユーコン・テリトリー間の地域および北極海諸島からなる。連邦政府の管轄下にある特別行政区で、ノースウェスト準州ともいう。面積114万1108.37平方キロメートルはカナダ総面積の13%を占める。人口3万7360(2001)。州都はイエローナイフ。住民の3分の1がイヌイット、5分の1がインディアンで、白人はおもにマッケンジー川流域に居住している。現境界は1912年に設定され、31年に大陸部分の西経102度以西のマッケンジー区、以東でブーシア、メルビルの両半島を除いたキーウェーティン地区、両半島と島嶼(とうしょ)からなるフランクリン区が設定された。ユーコン・テリトリーとの境界付近は低平で、排水不良のため湿地や湖沼が多く、大部分が森林限界以北にあるため、永久凍土が広がる不毛の地。狩猟と漁業が先住民の主産業であるほか、近年、亜鉛、金、鉛などの有望な地下資源の発見が相次ぎ、生産高の85%を占める鉱業が経済の支柱である。最近は沿岸地域の石油、天然ガスの開発が急速に進んでいる。1999年4月1日、ノースウェスト・テリトリーズの東部を分離してイヌイットの自治体ヌナブート・テリトリー(準州)が創設された。
[山下脩二]