マトリックス組織(読み)まとりっくすそしき(英語表記)matrix organization

日本大百科全書(ニッポニカ)「マトリックス組織」の解説

マトリックス組織
まとりっくすそしき
matrix organization

行列組織と訳すこともある。縦軸(列)と横軸(行)の二つの指揮命令系統を設け、二元的管理によって活動する組織。在来型の組織は、すべて上下関係の視点によって構造化され、この点に関する限り、集権的と分権的、職能別・製品別・地域別のいずれの組織も同じであった。マトリックス組織は、このような在来型の列形態に対する革新として現れる。それは多くの場合、職能別(製造、販売、財務、労務など)を縦軸とする在来型に、製品別の横軸を加える形で出発する。しかし成熟したマトリックス組織では、両軸の内容は業態に応じて自由に設定してよい。たとえば、多国籍企業では地域別と製品別、サービス産業では地域別と活動区分別が多いという。このようなマトリックス組織は、環境の多様化に対応するための必要から生まれたが、二元的管理による組織秩序の混乱が最大の問題である。

[森本三男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「マトリックス組織」の解説

マトリックス組織
マトリックスそしき
matrix organization

組織における命令一元化の原則に反し,複数の上司による管理を導入した組織形態組織図が行列 (マトリックス) のような形であることからこの名がついた。メーカーが製品別の組織にするか職能別の組織にするか,または総合商社が製品別の組織にするか国別の組織にするかは大きな課題であるが,複数の目標を同時に追求するためにマトリックス組織が考案された。ただし組織内の各所に対立や意思決定の困難な状況が生じやすいなどの欠点もある。

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ASCII.jpデジタル用語辞典「マトリックス組織」の解説

マトリックス組織

組織の形態のひとつ。社員がプロジェクトごとの部門と職能部門の2つの部門に属する形態。業務に柔軟に対応できるという長所がある反面、上司が2人になることで、権限責任の二重化が起こるという短所もある。

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世界大百科事典内のマトリックス組織の言及

【経営組織】より

…企業の成員間に定常的に成立している相互作用のパターン,もしくは経営資源を特定の目標に関連して結びつける型のことをいう。現在までの経営組織の形態には,おおまかにいうと,(1)職能別組織,(2)事業部制組織,(3)マトリックス組織などがみられる。(1)職能別組織は,組織の諸活動を同質的なプロセスごとに部門化した組織で,通常,製造,販売,研究開発などの機能によって部門を構成する。…

※「マトリックス組織」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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