ミコワイチク(英語表記)Stanisław Mikołajczyk

改訂新版 世界大百科事典 「ミコワイチク」の意味・わかりやすい解説

ミコワイチク
Stanisław Mikołajczyk
生没年:1901-66

ポーランドの政治家。1931-39年農民党左派の指導者として国会議員を務める。39年ドイツの侵入とともにロンドン亡命し,亡命政府内相となる。43年シコルスキの後を継いで44年まで首相を務め,西側諸国の支持を得て亡命政府のポーランド復帰に努力するが失敗。45年6月帰国し,挙国一致臨時政府に副首相として入閣,農民党を再建して共産党勢力と闘う。47年政争による迫害の強化とともに再度亡命を余儀なくされ,ワシントンで客死。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミコワイチク」の意味・わかりやすい解説

ミコワイチク
Mikołajczyk, Stanisław

[生]1901.7.18. ウェストファーレン,ホルシュターハウゼン
[没]1966.12.13. ワシントンD.C.
ポーランドの政治家。 1930~35年農民党議員。第2次世界大戦中に亡命,ロンドンのポーランド国民評議会副議長,亡命政府副首相,内相となった。 43年 W.シコルスキー死去に伴い同政府首相,44年にかけてソ連を含む連合国と国境や戦後政権について交渉した。ヤルタ会談に基づき 45年に帰国,国民統一臨時政府の副首相になったが,ポツダム会議での自由ポーランド確立に関する約定反故にされ,非共産主義勢力に対する圧迫激化したため,47年アメリカへ亡命。 48年以降国際農民組織総裁に就任した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミコワイチク」の意味・わかりやすい解説

ミコワイチク
みこわいちく
Stanisław Mikołajczyk
(1901―1966)

ポーランドの政治家。ウェストファーレンのホルスターハウゼン生まれ。第一次世界大戦直後の対ソ戦に参戦、その後農民党国会議員となり、同党総裁に就任した。1939年の独ソによる占領後イギリスに逃れ、1941年に亡命政府副首相、1943年同首相に選任された。訪ソして国境問題解決を試みたが失敗し、1944年に辞職した。ヤルタ会談の結果、1945年の挙国一致政権に副首相として入閣したが、選挙方式等をめぐり労働者党(共産党)との間に対立が激化、1947年にイギリスに亡命、ワシントンで客死した。

木戸 蓊]

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367日誕生日大事典 「ミコワイチク」の解説

ミコワイチク

生年月日:1901年6月28日
ポーランドの政治家
1966年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のミコワイチクの言及

【ポーランド】より

…1947年1月労働者党は合法政党の反対を封じ,衛星政党化するために単一候補者名簿方式の選挙を強行する。これに反対した政党指導者は警察的手段によって排除され,統一リストへの参加を拒んだ元亡命政府の首相ミコワイチクStanisław Mikołajczyk(1901‐66)の率いるポーランド農民党は厳しい迫害にさらされた。 戦争によってポーランドはカーゾン線以東の18万km2を失ったが,西方においてドイツから10万km2を得た(差引20%の領土減)。…

【ポーランド】より

…1947年1月労働者党は合法政党の反対を封じ,衛星政党化するために単一候補者名簿方式の選挙を強行する。これに反対した政党指導者は警察的手段によって排除され,統一リストへの参加を拒んだ元亡命政府の首相ミコワイチクStanisław Mikołajczyk(1901‐66)の率いるポーランド農民党は厳しい迫害にさらされた。 戦争によってポーランドはカーゾン線以東の18万km2を失ったが,西方においてドイツから10万km2を得た(差引20%の領土減)。…

【ポーランド農民党】より

…農民党諸派は26年のピウスーツキのクーデタ後しだいに大同団結に向かい,31年統一を達成,最大野党となり,弾圧に抗する。第2次大戦中抵抗運動を行い,亡命政府に首相ミコワイチクを送る。戦後は労働者党(共産党)と勢力を競ったが,弾圧を受けて弱体化した。…

※「ミコワイチク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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