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ミノガ Psychidae; bagworm moth

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ミノガ
Psychidae; bagworm moth

鱗翅目ミノ科の昆虫総称。幼虫は糸を吐いて蓑状の筒巣をつくってその中にすむので蓑虫と呼ばれる。幼虫の体はわずかに刺毛が散在するだけで裸に近く,胸脚は発達するが腹脚は鉤になっている。蓑の開口基端から頭部と胸部を出し,移動しながら植物を食べる。成虫は雌雄異形。雄は小~中型の暗色のガで口器は痕跡的である。雌は幼虫形で蓑の中にすみ,無翅またはきわめて退化した翅をもつにすぎない。ミノガ Canephora asiaticaは,雄は前翅長 10mm内外,全体黒褐色で触角は羽毛状である。雌は体長 13mm内外,状で無脚,無翅。頭部は黄褐色,胸部は赤褐色を帯び,腹部は白い。多くの植物を食害する。北海道,本州,四国,九州,サハリン,中国,中部アジアに分布する。

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百科事典マイペディアの解説

ミノガ

鱗翅(りんし)目ミノガ科の昆虫の総称。その1種オオミノガは大型でよく目立ち,日本全土,朝鮮,中国などに分布。雄は開張35mm内外,暗褐色,雌は翅がなく蛆(うじ)状。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ミノガ
みのが / 蓑蛾
bagworm moth

昆虫綱鱗翅(りんし)目ミノガ科Psychidaeのガの総称。全世界に分布するガで、幼虫が蓑(みの)(ポータブルケース)をつくってその中にすむ、いわゆるミノムシで、成虫はミノガとよばれている。はねの開張10ミリ以下から40ミリに達するものまである小形種から中形種。はねの形はさまざまであるが、豊かな色彩や斑紋(はんもん)をもつ種はなく、はねが透明な種を除いてすべて茶褐色、黒褐色あるいは黒色をしている。夜間、灯火に飛来することは少なく、昼間飛ぶ種が多い。この科の雄成虫はすべてはねをもち、一般のガと変わりがないが、雌の特徴から三つのグループに大別することができる。すなわち、雌が雄と同じように二対のはねと三対の脚(あし)を有するもの、はねはないが脚を有するもの、はねも脚もないものである。はねのない雌は、成虫になると自分の殻から半身を乗り出すか、蓑の外側で交尾のために飛来する雄を待つが、はねも脚もない雌は蓑の中で飛来した雄と交尾し、蓑の中に産卵する。したがって、雄の腹部はよく伸長できるようになっている。幼虫は種ごとに独特の材料で独特の蓑をつくり、上方の開口部から頭や胸を出して餌(えさ)をとる。蓑の材料は、食樹の小枝、茎、葉などを糸で綴(つづ)るが、コケや地衣類に寄生する小形種のなかには、植物片や土片を表面に付着させるものもある。
 日本には現在20種ほどしか知られていないが、コケや地衣類につく微小種で未発見のものが多く、今後、研究が進むと日本産は40種を超えるものと推定される。ごく普通にみかける最大のオオミノガは、幼虫が庭木、街路樹、果樹などに寄生し、発生量の多いときはかなりの被害がある。各種の樹木や低木につくチャミノガは、前種と同様に害虫であり、チャ畑で発生することがある。[井上 寛]

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