ミリスチン酸(読み)ミリスチンさん(英語表記)myristic acid

改訂新版 世界大百科事典 「ミリスチン酸」の意味・わかりやすい解説

ミリスチン酸 (ミリスチンさん)
myristic acid

化学式CH3(CH212CO2H。n-テトラデカン酸ともいう。炭素数14の直鎖飽和脂肪酸。天然油脂,蠟成分としてグリセリドエステルの形で広く分布し,とくにヤシ科植物の油,たとえばパーム油(1%),パーム核油(14.1%)に含有される。白色板状晶,甘酸っぱい味とココナッツ様風味をもつ。53.8℃および57.5~58℃の複融点をもつ。沸点248.7℃(100mmHg),比重d470=0.8533,屈折率nD80=1.4236。他の長鎖脂肪酸と同様にセッケン材料とし,またグリセリドとして食用,工業用に利用されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

化学辞典 第2版 「ミリスチン酸」の解説

ミリスチン酸
ミリスチンサン
myristic acid

tetradecanoic acid.C14H28O2(228.4).CH3(CH2)12COOH.グリセリンエステルとしてパーム油,パーム核油などに含まれる.小板状晶.融点54 ℃,沸点250.5 ℃(13.3 kPa),199 ℃(2.1 kPa).0.8622,0.8394.1.4305.メタノール,エーテル,ベンゼン,クロロホルムに可溶.[CAS 544-63-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「ミリスチン酸」の意味・わかりやすい解説

ミリスチン酸【ミリスチンさん】

化学式はCH3(CH212COOH。n‐テトラデカン酸とも。白色の結晶。53.8℃および57.5〜58℃の複融点をもつ。沸点248.7℃(100mmHg)。水,冷エタノールに難溶。グリセリンエステルとして広く動植物油中に含まれ,特にヤシ油中に多い。化粧品ペイントなどに使用
→関連項目ヤシ(椰子)油

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

栄養・生化学辞典 「ミリスチン酸」の解説

ミリスチン酸

 C14H28O2(mw228.38).CH3(CH2)12COOH.

 飽和脂肪酸の一つで,ヤシ油の脂肪などに含まれる.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android