ムハンマド・ホスニ・ムバラク(読み)むはんまど・ほすに・むばらく(英語表記)Muhammad Husnī Mubārak

知恵蔵mini の解説

ムハンマド・ホスニ・ムバラク

エジプトの元大統領。1928年、エジプト北部のメヌフィヤ県生まれ。空軍司令官などを務め、75年に当時のサダト大統領によって副大統領に任命された。イスラエル平和条約を結んだサダト大統領が81年にイスラム過激派によって暗殺されると、同年中に行われた国民投票で大統領に選出された。外交では軍を後ろ盾に親米路線をとり、イスラエルとの関係を維持して米国の中東政策にも重要な役割を果たした。国営企業の民営化を行い、一定の経済成長を実現する一方、逮捕状なしで身柄拘束が可能な非常事態法などによる強権政治を進めた。しかし、2011年2月に起こった民主化運動「アラブの春」と大規模な反政府デモにより退陣。その後、デモ隊殺害に関与した罪で終身刑が言い渡されるが、17年にエジプトの最高裁に当たる破棄院無罪を言い渡し、釈放された。20年2月25日に91歳で死去

(2020-2-27)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報