公訴棄却(読み)こうそききゃく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

刑事訴訟において,形式的訴訟条件欠如を理由として事件の実体に立入ることなく訴訟手続終結を宣明する形式裁判一種判決による場合たとえば,二重起訴の場合や公訴提起手続が違法な場合 (刑事訴訟法 338条1~4号) と,決定による場合たとえば,起訴状記載の事実がなんら罪となるようなものでない場合や被告人が死亡した場合 (339条1項1~5号) とがある。公訴棄却の裁判が確定しても,既判力は生じないから,要件が充足されれば再度起訴することができるものと解されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

形式や手続き面で要件が整っていないため、実体的な審理に入らずに裁判の手続きを打ち切るもの。刑事訴訟法は338条で、同じ事件が2度起訴されたり、手続きに重大な違法があって起訴が無効だったりする時などは、判決で公訴を棄却すると定めている。法務省によると公訴棄却が確定しても、その後に裁判所が求めた要件を満たせば、あらためて起訴することは可能という。

(2013-07-13 朝日新聞 朝刊 1総合)

出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報

大辞林 第三版の解説

刑事訴訟法上、形式的・手続き的な訴訟条件を欠くため公訴を無効とする裁判。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 刑事訴訟で、訴訟条件の形式的、手続的な不備を理由に、公訴を無効とし訴訟を打ち切る裁判。判決または決定によって行なわれる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内の公訴棄却の言及

【判決】より

…実体判決は,有罪か,無罪かを宣言する判決で,有罪の場合,刑の言渡しとともに,付随して刑の執行猶予や,未決勾留日数の刑への算入なども言い渡されることがある(刑事訴訟法333条2項,刑法21条)。形式判決は,訴訟条件が欠けているとして,公訴を無効として退ける判決で,管轄違いの判決(刑事訴訟法329条),公訴棄却の判決(338条),免訴判決(337条)の3種がある。公訴棄却は,事項によっては,判決ではなく,決定で言い渡されることもあり(339条),また,免訴判決は,実体判決,または実体関係的形式判決と解する説もある。…

※「公訴棄却」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

百条委員会

地方自治体が議決により設置する特別委員会の一つ。名称は「地方自治法第100条」に基づく。百条委員会は、地方公共団体の事務に関する調査を行い、関係者への聞き取りや記録の提出を請求、拒否した者には罰則が科...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

公訴棄却の関連情報