モウセンゴケ科(読み)モウセンゴケか(英語表記)Droseraceae

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モウセンゴケ科」の意味・わかりやすい解説

モウセンゴケ科
モウセンゴケか
Droseraceae

双子葉植物サラセニア目の1科。代表的な食虫植物の科で,モウセンゴケ属 Droseraが世界のほぼ全域に分布するほか,ムジナモAldrovanda,ハエトリソウ属 Dionaeaなど4属約 100種がある。大部分湿地に生じる多年草であるが,ムジナモ属は池沼の水中に生育する。小型の両性花を総状または巻散花序につけ,下方のものから次々に開花する。萼片花弁は4~5枚,おしべは5本で,果実は蒴果となる。なお,小昆虫などの捕獲はモウセンゴケ属では葉面の粘毛で,ムジナモ,ハエトリソウ両属では感覚毛の刺激による葉 (ムジナモでは捕虫嚢という) の開閉で行う。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モウセンゴケ科」の意味・わかりやすい解説

モウセンゴケ科
もうせんごけか
[学] Droseraceae

双子葉植物。食虫植物の多年草で、まれに一年草もある。葉には刺激感受性がある。葉の表面の粘液を出す腺毛(せんもう)で小動物を捕らえるもの(モウセンゴケ属)、二枚貝状の葉が開閉し小動物を捕らえるもの(ムジナモ属、ハエトリグサ属)から成る。花は両性放射相称をなし、総状花序をつくる。萼片(がくへん)、花弁ともに4~5枚、花弁は離生する。雄しべは4~5本であるが、まれに20本のものもある。花柱は3~5本、先端は単純または分裂する。子房は上位で1室、3~5心皮からなる。蒴果(さくか)を結ぶ。多くは水湿地に生え、世界に上記の3属約100種があり、日本にモウセンゴケ属7種とムジナモ属1種が分布する。

[田中法生 2024年3月19日]


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