モルガン・スタンレー(読み)もるがんすたんれー(英語表記)Morgan Stanley

日本大百科全書(ニッポニカ)「モルガン・スタンレー」の解説

モルガン・スタンレー
もるがんすたんれー
Morgan Stanley

アメリカの総合金融サービス会社。1997年にディーン・ウィッター・ディスカバーDean Witter Discover & Co.と合併し、社名モルガンスタンレー・ディーン・ウィッター・ディスカバー・アンド・カンパニーMorgan Stanley Dean Witter Discover & Co.となる。2002年にはふたたび、現社名に変更された。

[萩原伸次郎]

モルガン・スタンレー

モルガン・スタンレーは、グラス‐スティーガル法Glass-Steagall Actの名で知られる1933年銀行法によってJ・P・モルガンが商業銀行と投資銀行に強制的に分割された際に、証券引受業務を行う投資銀行として1935年に設立された。第二次世界大戦後、世界経済の復興に伴い、モルガン・スタンレーは国際資本市場での活動を行い、1960年代にはユーロ市場の形成とともにヨーロッパでの活動が目だった。その後、当初のビジネス戦略であった証券引受業務を中心とする投資銀行業から市場取引活動へと重点を移した。1969年には不動産事業にも参入し、セールス・トレーディング部門、アセット・マネジメント(資産運用)部門などを設け業務を拡大。さらに1980年代からの世界的な経済・金融の規制緩和の波に乗り、国際的活動を活発化させ世界22か国以上に支店を開設した。

[萩原伸次郎]

ディーン・ウィッター・ディスカバー

ディーン・ウィッター・ディスカバーは創業者であるディーン・ウィッターが彼の兄弟ガイと従兄弟(いとこ)のジーンとともに、1924年にサンフランシスコで設立した証券会社ディーン・ウィッターDean Witter & Co.に端を発する。1926年にはシアトルのボーイング社の株式150万ドルを引き受けた。サンフランシスコ証券取引所会員、続いてニューヨーク証券取引所会員となり、大恐慌時には保有株式を売り抜けて次の時代への足場を築いた。1950年代以降、同社は中西部、東海岸への進出も果たした。1978年には当時業界最大の買収劇となった証券大手レイノルズ社Reynolds Securities, Inc.の買収・合併を果たし、ディーン・ウィッター・レイノルズと社名変更した。合併により同社は、230の事業所に8000名を超える従業員を抱える大企業となり、1979年の総売上高は5億2000万ドルを記録した。1981年にディーン・ウィッター・レイノルズは、小売業界の巨大企業シアーズローバック傘下に入り、その金融サービスの中核を担ったが、1992年にはシアーズより分離独立し、ディーン・ウィッター・ディスカバーに名称を変更した。

[萩原伸次郎]

合併後の事業内容

国際機関、各国政府、企業などを顧客とする国際的な投資銀行であるモルガン・スタンレーと、アメリカを拠点におもに個人を対象とした証券・資産運用業務を展開するディーン・ウィッター・ディスカバーが合併することにより、モルガン・スタンレー・ディーン・ウィッターは法人・個人双方に対応する証券・クレジット金融サービス会社として世界最大級の地位を確立した。2002年社名をモルガン・スタンレーとしたが、同社は証券業、資産運用事業、クレジット・サービス事業を三つの柱に業務を行う。証券業は、個人を対象とした株式、債券、ミューチュアルファンド(小口資金によるオープン型の分散投資、投資信託の一種)などの投資アドバイスも行っている。クレジット・サービス部門は、同社の扱うクレジットカードのディスカバー・カードによって、アメリカ最大の単独発行業者の地位を誇っていたが、2007年にディスカバー部門をスピンオフ(会社がその一部を切り離して独立させること)させた。また、2008年には銀行持株会社制に移行した。2012年の総資産は7809億6000万ドル、総収入261億1200万ドル、純利益7億1600万ドル。

 日本では、1984年(昭和59)にモルガン・スタンレー・インターナショナル・リミテッド東京支店が開設され、1987年にはモルガン・スタンレー投資顧問株式会社が設立された。2007年(平成19)モルガン・スタンレーの日本における持株会社として、モルガン・スタンレー・ホールディングス株式会社を設立。傘下には、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント株式会社(、モルガン・スタンレー投資顧問株式会社)、モルガン・スタンレー・キャピタル株式会社、モルガン・スタンレー・キャピタル・グループ株式会社、モルガン・スタンレーMUFG証券(旧、モルガン・スタンレー・インターナショナル・リミテッド)がある(2013年時点)。

[萩原伸次郎]

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