金融持株会社(読み)きんゆうもちかぶがいしゃ

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

金融持株会社

銀行、証券会社、保険会社など異なる業態の株式を保有する持株会社。統合・再編が進む金融コングロマリットの統括会社にあたる。1998年12月の独占禁止法改正、金融持株会社関連法の成立などで可能になった組織形態。従来、金融機関が他業態に進出するには、業態別に子会社設立し、親子関係にならざるを得なかったが、金融持株会社を設立することで、傘下企業は兄弟関係になり、経営の効率化につながる。また、1つの企業の経営が悪化しても、傘下企業に影響が及びにくく、利益相反を防止し、利用者保護にも効果があると言われる。

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デジタル大辞泉の解説

きんゆう‐もちかぶがいしゃ〔‐もちかぶグワイシヤ〕【金融持(ち)株会社】

銀行・証券会社・保険会社などが設立する持株会社で、傘下の子会社が金融関連の事業を営む会社。一般の事業会社を傘下におくことは制限されている。平成9年(1997)独禁法の改正に伴い、設立が認められるようになった。三菱UFJフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループみずほフィナンシャルグループ野村ホールディングス、日興シティホールディングス、東京海上ホールディングスなど。

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百科事典マイペディアの解説

金融持株会社【きんゆうもちかぶかいしゃ】

銀行,証券,保険など金融機関を子会社とする純粋持株会社。持株会社の解禁を盛りこんだ改正独占禁止法が1997年6月に成立し,これに伴って1998年3月から金融持株会社の設立も原則自由となった。金融持株会社は複数企業の株式を保有し,自らは事業展開せず,傘下企業を総括することを目的とする。この制度導入で,傘下企業に異なる金融業態(銀行,証券,保険など)を組み入れることが可能となり,事実上,金融の相互参入が容易になる。またこの制度は破綻金融機関の救済や金融再編成などにも有効とみられている。しかし,銀行の過度の産業支配を防止するため,銀行持株会社は一般の事業会社は保有できず,金融機関以外ではリース会社やクレジット会社などに限定されるなど,いわゆる金融持株会社整備法(1998年3月施行)による規制を受ける。金融持株会社が一般化すると,現在の業態間競争から金融グループ間競争に変わるとみられ,第一勧業銀行富士銀行日本興業銀行は事業統合をめざして2000年9月に金融持株会社〈みずほホールディングス〉を設立した。

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世界大百科事典 第2版の解説

きんゆうもちかぶかいしゃ【金融持株会社】

一つまたは複数の銀行,証券,保険,その他非銀行子会社を傘下に保有して金融業務を行う経営形態。 これは独占禁止法第9条が禁止してきた純粋持株会社に該当する。このような禁止規定は主要国ではほとんど例がなく,また企業経営の柔軟性を阻害する懸念があることなどから,1997年6月独占禁止法が改正され,持株会社の設立を原則自由としたが,第116条で,別に法律で定める日までの間は金融持株会社の設立を禁止した。他方,金融制度調査会答申〈我が国金融システムの改革について〉(1997年6月)は,金融持株会社の活用により金融分野での競争の促進と銀行経営の効率化が期待されるとして,所要の法的整備を可及的速やかに行うことを望んだ(〈金融機関〉の[金融制度の改革]の項を参照)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

金融持株会社
きんゆうもちかぶがいしゃ
holding company of financial institutions

銀行,証券,信託,保険などの金融機関株式を 50%以上保有し,親会社として,それらの傘下子会社の経営を統括する会社。自社で事業を行なわず傘下子会社の活動を支配する純粋持株会社の形態をとる(→持株会社)。1997年に独占禁止法が改正され,翌 1998年に「持株会社の設立等の禁止の解除に伴う金融関係法律の整備等に関する法律」が施行され,金融持株会社の設立が解禁された。それまでは,他業態に進出する場合,業態ごとに子会社を設立しなければならなかった。金融持株会社制度の導入によって,金融グループとしての経営戦略を立案,実行しやすくなり,経営の効率も高まった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

金融持株会社
きんゆうもちかぶがいしゃ
financial holding company

銀行、信託銀行、証券会社、保険会社、リース会社、ベンチャー・キャピタルなどを傘下に置く持株会社。日本では第二次世界大戦以後、金融持株会社の設立は禁じられていたが、国内金融機関の体質を強化し、国際競争力を高める目的で1998年(平成10)に解禁された。銀行、証券、保険など業種の垣根を越えた再編を促す効果があるほか、傘下各機関の採算管理を徹底し経営を効率化できる利点がある。欧米の金融機関の大半は持株会社となっている。
 第二次世界大戦後、「侵略戦争遂行の経済的基盤になった」との理由で、連合国最高司令官総司令部(GHQ)は財閥を解体。以来、日本では金融持株会社を含む持株会社の設立は、寡占を生みかねないとして独占禁止法で禁じられてきた。
 しかしバブル経済崩壊後、政府の護送船団方式(各種規制によって金融システムの安定性を維持する過保護体制)で守られてきた金融業界に健全な競争と再編を促すため、金融大改革(日本版金融ビッグバン)の一環として1997年に改正独占禁止法と金融持株会社関連法が成立。1998年3月から金融持株会社の設立が可能になった。みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、りそなホールディングス、野村ホールディングス、大和証券グループ本社など大手金融機関のほとんどが持株会社へ移行した。最近では、中国などでも金融機関の持株会社化が始まっている。[矢野 武]
『金融持株会社研究会編『日本の金融持株会社』(2001・日本証券経済研究所)』

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