銀行、信託銀行、証券会社、保険会社、リース会社、ベンチャー・キャピタルなどを傘下に置く持株会社。日本では第二次世界大戦以後、金融持株会社の設立は禁じられていたが、国内金融機関の体質を強化し、国際競争力を高める目的で1998年(平成10)に解禁された。銀行、証券、保険など業種の垣根を越えた再編を促す効果があるほか、傘下各機関の採算管理を徹底し経営を効率化できる利点がある。欧米の金融機関の大半は持株会社となっている。
第二次世界大戦後、「侵略戦争遂行の経済的基盤になった」との理由で、連合国最高司令官総司令部(GHQ)は財閥を解体。以来、日本では金融持株会社を含む持株会社の設立は、寡占を生みかねないとして独占禁止法で禁じられてきた。
しかしバブル経済崩壊後、政府の護送船団方式(各種規制によって金融システムの安定性を維持する過保護体制)で守られてきた金融業界に健全な競争と再編を促すため、金融大改革(日本版金融ビッグバン)の一環として1997年に改正独占禁止法と金融持株会社関連法が成立。1998年3月から金融持株会社の設立が可能になった。みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、りそなホールディングス、野村ホールディングス、大和証券グループ本社など大手金融機関のほとんどが持株会社へ移行した。最近では、中国などでも金融機関の持株会社化が始まっている。
[矢野 武]
『金融持株会社研究会編『日本の金融持株会社』(2001・日本証券経済研究所)』
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