モン=クメール語族(読み)モン=クメールごぞく(英語表記)Mon-Khmer languages

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モン=クメール語族」の意味・わかりやすい解説

モン=クメール語族
モン=クメールごぞく
Mon-Khmer languages

カンボジアミャンマーなどで話されている言語。学者によってその含む言語は異なるが,狭義ではモン語,カンボジア語 (クメール語) ,バナル語,セダン語,コホ語,ムノン語,スティエン語,ブラオ語,ブルー語,カトゥ語,サムレ語,クム語などをいう。これらに,さらにマレー半島セマン語とサカイ語,タンルウィン川流域のパラウン語,ワー語,リアン語,ニコバル諸島のニコバル語,インドのアッサム州のカーシ語を含めることもある。この語族の類型的特徴としては,接辞による語形成を行うこと,声調のないことなどがあげられる。 W.シュミットによれば,この語族はムンダ語族アンナン=ムオン諸語とともにオーストロアジア語族をなし,さらにこれがオーストロネシア語族とともにオーストリック語族をなすというが,オーストロアジア語族自体の言語学的証明も未確立である。なお,オーストロアジア語族の名称を広義のモン=クメール語族の意味に用いることもある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android