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ラム酒 ラムシュ

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デジタル大辞泉の解説

ラム‐しゅ【ラム酒】

ラム(rum)

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監修:松村明
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大辞林 第三版の解説

ラムしゅ【ラム酒】

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ラム酒
らむしゅ
rum

甘蔗(かんしょ)汁や糖蜜(とうみつ)などの製糖工程の副産物を原料として、これを発酵、蒸留、熟成させてつくる蒸留酒である。甘い香りと特有の味があり、アルコール分は44~45%、エキス分は0.2~0.8%で、わが国の酒税法ではスピリッツに入る。
 ラムという語源は、英語のrumbullion「騒がしいこと」「興奮」で、これが短くなってrumとなったといわれるが、一説にはラテン語のsaccharum「砂糖」の最後のrumからきているともいわれる。[原 昌道]

歴史

ラム酒は16世紀の初め、スペインから西インド諸島にある小アンティル諸島のバルバドス島へ移住した人たちによってつくられたのが始まりといわれる。当時この酒はキル・デビル(悪魔殺し)とよばれた。その後ジャマイカ島で急速に蔗糖工業が発達し、それに伴い甘蔗、糖蜜を用いる蒸留工業も発達し、ジャマイカラムの名は広く知られるようになった。西インド諸島でつくられたラムは、18世紀になるとイギリスにも輸出され、イギリス海軍の給付品となった。バーノン提督がラムを水と半々に混ぜて支給した話は有名で、提督がいつもグロッグという布地でつくった上着を着ていたことから、この水割りラムはグロッグとよばれた。アメリカでは18世紀なかば、ニュー・イングランドのマサチューセッツ州などにかなりのラム製造工場があった。ここでつくられるラムには樽(たる)で長期間熟成する方法がとられた。わが国には豊臣(とよとみ)秀吉の時代に荒気酒(あらきしゅ)というラムの一種が入ったことがあるが、正式には明治初期に輸入された。また製造は、1943年(昭和18)に南洋で糖蜜からつくったものを発売したのが初めといわれる。[原 昌道]

作り方

ラム酒の原料には甘蔗汁および濃縮した糖蜜、あくの部分(スキム)、廃糖蜜などが使われる。一般的には甘蔗汁はライトタイプ、糖蜜はヘビータイプに用いられる。糖蜜の場合、3倍に希釈して、80℃に加熱し、石灰乳で水素イオン濃度指数(pH)を約5.8に調節する。発酵はラムのタイプで異なり、ヘビータイプのジャマイカラムの場合は糖蜜に酸味、ダンダー、薬味を加えて発酵させる。酸味とは糖蜜に浮渣(ふさ)(甘蔗汁を煮沸、泡立てたもの)を混ぜて発酵させ、発酵の終わりごろに甘蔗の葉を入れた容器に移し替え、この中で各種のバクテリアを繁殖させて酸敗させたもので、これを助長するためにバガス(甘蔗の絞り粕(かす))を加えることもある。ダンダーはもろみを蒸留した残渣を長い期間貯蔵したもので、酵母の栄養源となる。薬味は甘蔗の葉とバガスを容器に入れ、それにダンダーを加えたもので、一定期間放置するとその間にバクテリアが繁殖して酸性化する。このようにラムもろみは糖蜜、酸味、ダンダー、薬味から成り立っており、蔗糖含量は18~22%で、6~12日間、高温度(35~40℃)で発酵させる。蒸留は、ヘビータイプの場合は単式蒸留機が使用され、通常2回蒸留して、留液は樫樽(かしたる)に入れ、5年以上熟成させる。ミディアムタイプは糖蜜を水で薄め、硫酸と硫安を加えてpHを弱酸性とし、短期間で発酵を行わせる。改良型単式蒸留機か連続蒸留機で蒸留し、留液は樫樽に入れ、1~3年間貯蔵する。ニュー・イングランドラムの場合は内面を焼いた樽を使用する。果実の香りをつけるために干しぶどうや香辛料を使うこともある。また色、香りをつけるためにカラメルが加えられる。ライトタイプは糖蜜を水で薄め、硫酸と硫安でpHを弱酸性にし、酵母を加えて3日くらいで発酵を完了させ、連続蒸留機で80%以上という高濃度で蒸留する。これを活性炭素などで濾過(ろか)し、できるだけ不純物を除く。貯蔵は樫樽を使い、期間は1~2年である。[原 昌道]

種類

ラム酒は産地や製造法によってヘビー、ミディアム、ライトの三つのタイプに分けられる。ヘビーラムは色が濃く、香味が強い酒で、ジャマイカラムがその代表的なものである。ミディアムラムはヘビーラムよりも色は淡く、香りも低い。南アメリカのギアナ地方に産するデメラララムや西インド諸島のマルティニーク島で産するマルティニークラムは有名である。またアメリカ産のニュー・イングランドラムもこのタイプに入る。ライトラムは色がもっとも淡く、香味はまるい。西インド諸島キューバ島のキューバンラム、プエルト・リコ島で産するプエルトリカンラムが知られている。[原 昌道]

飲み方・利用

ラム酒は一般にストレートで飲まれる。非常に強い、独特な香りと味のある酒である。熱帯地方では酒といえばラムというほどよく飲まれている。また水兵たちが海上で好んで飲用し、海賊とラム酒は付き物であった。そのほかソーダ水や水、氷で割って飲む場合もある。またラム酒はカクテルの重要なベースである。ライトラムは糖蜜に由来する甘い香りがあるから洋菓子によくあう。そのアルコールが砂糖の甘さや卵の生臭さを和らげるなどの利点から製菓用に用いられる。クリームやゼラチンに加えたり、果実類をラムに浸漬(しんし)したり、アイスクリームなどに加えて、その風味を増すのにも使われる。[原 昌道]

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