日本大百科全書(ニッポニカ) 「ランデ」の意味・わかりやすい解説
ランデ
らんで
Alfred Landé
(1888―1975)
ドイツの物理学者。マールブルクおよびゲッティンゲン大学を経て、1922年チュービンゲン大学、1931年にアメリカのコロンブス大学の教授となる。主として分光学理論を研究し多重スペクトル線に関する「ランデの間隔規則」(1923)を、またゼーマン効果の研究において「ランデのg公式」(1921)をそれぞれ発見した。これらは原子におけるスピン軌道の相互作用を明らかにするものとして、原子・分子の電子構造の研究の発展に寄与している。「g公式」で与えられているg因子は、磁気共鳴で測定されるところから、固体物理学の発展にも深くかかわっている。
[今野 宏]