改訂新版 世界大百科事典 「ラーフェンスブルク会社」の意味・わかりやすい解説
ラーフェンスブルク会社 (ラーフェンスブルクかいしゃ)
Die Ravensburger Handelsgesellschaft
南ドイツ,ボーデン湖畔の帝国都市ラーフェンスブルクに本拠を置く中世末の大商事会社。20世紀初めに膨大な営業文書が発見されて伝説的なこの会社の存在が明らかになった。フンピス,モエッテリ,ムントプラット3商会の結合によって1380年に設立され,6年契約を更新して1530年まで150年間続いた。営業の主力は麻織工への前貸しと麻織物の買占め,その南欧への販売,これと交換にイタリアから香料など奢侈品の輸入の仲買で,そのためにジェノバ,ミラノ,リヨン,バルセロナ,ブリュージュなどに10以上の支店を設け,南ドイツとスイスの100家族以上から出資を受け入れていた。多数の奉公人と徒弟を使い,金融業に手を出さず商品取引のみ営んだ。
執筆者:諸田 実
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報