改訂新版 世界大百科事典 「ウェルザー家」の意味・わかりやすい解説
ウェルザー家 (ウェルザーけ)
宗教改革期の南ドイツの豪商。アウクスブルクの都市貴族の名門。1473年ルーカスLukasら4兄弟がウェルザーWelser商会を創立し,98年その子アントンが妻方とウェルザー・フェーリン商会を設立,13以上の支店を開き,南欧各地との商業や金融業を営む。リスボンに支店を開き,1505年の東インド航海に2万グルデンを出資して参加,のちバルトルメBartholmäはベネズエラ植民計画を企てたが失敗した。シュマルカルデン戦争後皇帝への貸付金が回収できず苦境に陥る。1603年マテーウスMathäusは帝国収税官を務めたが,14年弟マルクスの死の翌日破産宣告をうけた。1517年にヤーコプJakobが創設したニュルンベルク・ウェルザー商会は19世紀まで続いた。
執筆者:諸田 實
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報