リケンティア

大学事典「リケンティア」の解説

リケンティア[羅]

リケンティアは,大学が成立する以前から司教区において地方教会権力,具体的には司教や司教区の役職者であるカンケラリウス等が教師に授与した教授許可証(ヨーロッパ)であった。カンケラリウスは教師たちを自らの裁治権の下に置こうとして,彼らに対する服従宣誓を強いたが,教師たちは彼らの権限に対抗し,この教授免許(ヨーロッパ)(licentia docendi)の授与をめぐって対立することとなる。こうした動きに,普遍的権威であった教皇権介入をみる。ローマ教皇はこの新生の大学(教師)団(ヨーロッパ)を将来のキリスト教世界発展の重要な母体とみなし,彼らを保護する政策をとることとなった。1179年の第3回ラテラノ公会議において,教皇アレクサンデル3世が教師として適格と判断されるすべての人に,無償で教授免許を授与するよう定めたのはその具体的現われである。

 このように教皇権の保護・支持を受けて教師たちは,司教やカンケラリウスと教授免許授与権をめぐり激しく対立することとなるが,その授与権は司教権に保持され続けはしたが,徐々に大学団の手に掌握されていく。そして,リケンティアはバカラリウスに続く大学の第2の学位となったのである。このリケンティア学位取得のための試験(個人試験)に合格した者は,リケンティアートゥス(ヨーロッパ)と呼ばれた。なお今日,リケンティアはフランスの大学においてリサンス(フランス)(学士)という名称で残されている。
著者: 松浦正博

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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