レンズ状銀河(読み)レンズジョウギンガ(その他表記)lenticular galaxy

デジタル大辞泉 「レンズ状銀河」の意味・読み・例文・類語

レンズじょう‐ぎんが〔‐ジヤウ‐〕【レンズ状銀河】

形による銀河分類の一。中心の明るい球状部と薄い円盤からなり、凸レンズに似る。渦巻銀河のような渦状構造は見られない。星間物質はほとんどなく、年齢の古い種族Ⅱの星が多いが、楕円銀河とは輝度分布が大きく異なる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「レンズ状銀河」の意味・わかりやすい解説

レンズ状銀河
れんずじょうぎんが
lenticular galaxy

銀河の形態分類上、楕円(だえん)銀河と渦状(かじょう)銀河の中間に位置している。S0銀河ともいう。渦状銀河と同様、中心の明るい球状部(バルジ)と周辺の円盤部ディスク)とから成り立っているが、円盤部には渦状銀河にみられるような渦状腕は存在しない。楕円銀河と同様、ガス暗黒星雲は少なく、年齢の古い星のみからできている。普通の渦状銀河が銀河間空間を運動するうちにそのガスがはぎ取られてしまったとする成因説が有力である。

[若松謙一]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レンズ状銀河」の意味・わかりやすい解説

レンズ状銀河
レンズじょうぎんが
lenticular galaxy

銀河一種。エドウィン・ハッブルによる銀河の形態分類では楕円銀河渦状銀河の中間に位置し,S0型銀河とも呼ばれる。全体の形は渦状銀河のように円盤状をしており,種族IIの恒星からなり,ダークマターハロー(ダークハロー)に囲まれている。渦状腕をもたず,渦状銀河と異なり種族Iの星やガスが非常に少ない。

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