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ロシア新憲法 ろしあしんけんぽう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ロシア新憲法
ろしあしんけんぽう

現行のロシア(ロシア連邦)憲法は、1991年のソ連邦の崩壊、同年8月のクーデター、93年9月の大統領令による最高会議の解散、同年10月の最高会議ビルの武力制圧といった政治的激動のあと、12月に議会下院選挙と同時に行われた国民投票によって制定されたものである。その起草作業そのものがエリツィン大統領の主導権のもとに行われてきたこともあって、エリツィン憲法とよばれることがある。ロシア(ソ連邦体制のもとではロシア共和国)の憲法としては1978年憲法に次ぐものであるが、1917年十月革命以後の歴史(ソ連邦の結成は1922年)を全体としてみる場合には、1918年ロシア共和国憲法(レーニン憲法)、1936年ソ連邦憲法(スターリン憲法)、1977年ソ連邦憲法(ブレジネフ憲法)という三つの社会主義憲法の系譜(1978年憲法はブレジネフ憲法のロシア共和国版であった)を転換したもので、いちおう西欧型民主主義の憲法として位置づけられる。社会主義的所有制度をやめて人権原理と私的所有制度を導入し、共産党独裁を廃して国民主権原理を定め、またソビエト(評議会)体制に代わる二院制の議会制度を打ち立てたという点で形式上は西欧型に属するが、この新憲法はその成立の経緯とくに議会との緊張関係にも影響されて、現実にはしばしば権威主義的に機能する強力な大統領制を特徴とするものとなっている。ただし、大統領の権限の大きさは体制転換の過渡期の特質でもあって、今後流動化する可能性もある。国の領域的な統治構造としては多数の共和国・州・自治管区等の構成主体を含む連邦制を採用する(「ロシア」と「ロシア連邦」は同義とされる)。なお、憲法改正の難易度からすればかつての社会主義憲法と異なり、新憲法は憲法体制の原理や人権規定については改正がきわめて困難な硬性憲法といえる。[大江泰一郎]
『竹森正孝訳・解説『ロシア連邦憲法』(1996・七月堂)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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