ワーク・サンプリング(英語表記)work sampling

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワーク・サンプリング」の意味・わかりやすい解説

ワーク・サンプリング
work sampling

人の活動や物の時間的な推移などの状況を統計学的に把握することで,スナップ・リーディング snap reading,レーシオ・ディレー・アナリシス ratio-delay analysisなどと呼ばれることもある。特に統計的なサンプリング理論作業測定に応用した手法といえる。まず人間の作業や機械稼働の状態を瞬間的に観測し,その結果を分類して記録する。そしてこれを何度も繰返すことにより一連のデータを得る。それらを統計的に扱うことによって種々の観測対象項目の時間的構成やその推移の状況などを観察する。たとえば得られたサンプルから統計的に母集団としての全体作業の構成内容を時間割合として推定することがあげられる。作業測定のなかでも余裕率の分析稼働率の分析などに用いられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワーク・サンプリング」の意味・わかりやすい解説

ワーク・サンプリング
わーくさんぷりんぐ
work sampling

作業者、機械、さらに設備に関する特定の状況を、ある時間間隔で観測・記録・整理を行い、その特性を統計的理論によって推計する方法をいう。おもな用途は、稼動分析の一手法として稼動率操業度などの推計に利用される。また、標準時間設定のための手法として、管理余裕時間や正味作業時間の推計にも活用される。たとえば、稼動率の推計の場合、n回の観測中に稼動状態にある回数xは近似的に正規分布に従うことから、区間推定が可能となる。また逆に、区間の長さとしてnを求め、サンプリングの規模を設定することもできる。

[玄 光男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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