一宿(読み)イッシュク

デジタル大辞泉 「一宿」の意味・読み・例文・類語

いっ‐しゅく【一宿】

[名](スル)
一夜宿泊すること。一泊。「僧房一宿する」
一夜。ひと晩。
「―を経てよみがへりて」〈今昔・七・八〉

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精選版 日本国語大辞典 「一宿」の意味・読み・例文・類語

いっ‐しゅく【一宿】

〘名〙
① 一夜泊まること。一泊。
延喜式(927)二〇「皆清斎於学館一宿」
歌舞伎韓人漢文手管始唐人殺し)(1789)四「夜前此小浜に一宿せんと」 〔春秋左伝‐荘公三年〕
② 同じ家に一緒に寝泊まりすること。同宿。同居
※羅葡日辞書(1595)「Inquilinus〈訳〉同じ家に住むもの。ドウシュクノ モノ、ixxucuno(イッシュクノ) モノ」
一晩。一夜。
※今昔(1120頃か)七「一宿を経て、活(よみがへり)て」 〔論衡‐命義〕
④ 一泊の宿泊料。
※鵤荘引付‐文亀元年(1501)「百五十文沙汰人粮物、廿文配符一宿」

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日本歴史地名大系 「一宿」の解説

一宿
いちのしゆく

葛城山系を行場とする葛城修験の葛城二十八宿の第一宿。中世前期に成立した「諸山縁起」の「転法輪山」の項の「宿の次第」に「二 伽陀寺」に続けて「三 一の宿」に「今の八幡これなり。または鴿の留と云ふ。北に国見の岡あり。その前に仙処あり。橋の多輪。方便品。四千八百五十四字なり」と記される。

「続風土記」は加太かだ村の八幡宮の説明で、「村の艮の方、山の麓にあり、鳩かとまり八幡宮と号す、(中略)今は衰退せる小社なれとも、古は壮麗の社なる事知らるゝなり、(中略)当社今迎之坊支配にして修験者の行所なり、境内の山を護摩木山といふ、護摩木を取し所といふ」と記す。応永三一年(一四二四)八月一五日付の賀太八幡宮神事入物日記(向井家文書)などに「賀太庄八幡宮」がみえるが、これが一宿の「今の八幡」と思われる。

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普及版 字通 「一宿」の読み・字形・画数・意味

【一宿】いつしゆく

一泊。

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