伽陀(読み)カダ

デジタル大辞泉 「伽陀」の意味・読み・例文・類語

かだ【××陀】

《〈梵〉gāthāの音写諷頌ふじゅと訳す》
詩句からなる経文十二分経の一。偈頌げじゅ偈佗げだ
法会などで唱えられる、仏徳を賛嘆し教理を述べる韻文で、旋律をつけたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「伽陀」の意味・読み・例文・類語

かだ【伽陀】

  1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] gāthā の音訳。「諷誦」と訳す ) 広義には韻文体の歌謡漢文の詩句、偈文など、狭義には十二部経一つで、経文の一段、または全体の終わりにある韻文体の詩句をいう。
    1. [初出の実例]「人の普賢講行ひ候つる伽陀に付て笛をぞ終夜吹き候つる」(出典:今昔物語集(1120頃か)二四)

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改訂新版 世界大百科事典 「伽陀」の意味・わかりやすい解説

伽陀 (かだ)

声明(しようみよう)曲の分類名。漢文の詞章を音読する曲で,五言または七言4行の韻文が普通。曲節の特色は,詞章の文字に母韻を重ねて〈か〉なら〈かアアア〉などと発音し,その母韻に多くの装飾的旋律を付して唱えるところにある。したがってただ聞いては歌詞が判明しにくいことが多い。なお漢語讃の類も詞章は伽陀と同種の構造だが,曲節の形式に相違があり,伽陀ほど装飾的でない。伽陀にはしばしば雅楽管楽器伴奏が付される。これを付ケ物と称し,声明の旋律をそのままなぞって吹き,笙も一竹(いつちく)(一本吹き)で吹く。漢語讃には,楽器の伴奏はない。まれに演奏する場合も,声明曲とは関係なしに雅楽独自の曲を併奏する。伽陀には,法要の最初に一同で礼拝するとき唱える総礼(そうらい)伽陀,法要進行の折り目に唱える中間(ちゆうげん)伽陀,法要の終りに仏事の功徳の普及を願う回向(えこう)伽陀などがある。そのそれぞれに数曲があるので,歌詞の最初を採って,《天人伽陀》《衆罪伽陀》などと称することもある。以上と別に,和文の韻文に伽陀ふうの曲節を付けたもので,訓伽陀と称するものがある。真宗系の和讃は,名称は和讃でも訓伽陀に近いものといえる。なお《唄(ばい)》など特定の曲にも類似点があるが,伽陀とは称さない。
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普及版 字通 「伽陀」の読み・字形・画数・意味

【伽陀】かだ

仏教の偈。

字通「伽」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の伽陀の言及

【偈】より

…サンスクリットのqāthāを音訳して偈陀(げた)・伽陀(かだ),意訳して偈頌(げじゆ),略して頌という。韻文で1句が五言,または七言で表現され,4句をもって一偈とするが,とくに長いものは重頌と称する。…

※「伽陀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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