万句合(読み)マンクアワセ

デジタル大辞泉 「万句合」の意味・読み・例文・類語

まんく‐あわせ〔‐あはせ〕【万句合】

《「月並つきなみ万句合」の略》雑俳で、選者課題前句の刷り物を配布して付句を募集し、勝句かちく(高点句)を半紙印刷して発行したもの。宝暦(1751~1764)から寛政(1789~1801)ころまで行われ、初世川柳せんりゅう評の万句合は「誹風柳多留はいふうやなぎだる」の底本となった。

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精選版 日本国語大辞典 「万句合」の意味・読み・例文・類語

まんく‐あわせ‥あはせ【万句合】

  1. 〘 名詞 〙 前句付の一つ。選者が課題の前句(一四文字の短句)の刷りものを配布して、一七文字の付句を募集し、そのうちの高点句、すなわち、勝句を美濃判紙に印刷して頒布したもの。印刷の体裁伊勢暦に似ているので、暦摺(こよみずり)ともいう。宝暦(一七五一‐六四)から天明一七八一‐八九)にかけて、最も盛んに行なわれ、定時に万句合が興行された。初代川柳評の万句合から前句をのぞき、付句だけを抜粋したものが、「柳多留」である。

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世界大百科事典(旧版)内の万句合の言及

【万句合興行】より

…俳諧興行が企業化し,興行主催が点者から会所(取次,会林)の手に移り,会所が題や締切日,入花料を記したちらしを配り,句を集めて点者の評を受け,入選句を披露し,多くの場合,高点句を印刷し,景品を添え,加点の詠草を地方の小取次へ返すのが一般的運営形態で,幕末の月並発句合もこれに準じたものである。川柳の場合,この一枚摺りの高点摺り物を〈万句合〉と略称しているが,本来は興行全体をさす言葉である。【鈴木 勝忠】。…

※「万句合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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