仮名暦(読み)カナゴヨミ

世界大百科事典 第2版の解説

かなごよみ【仮名暦】

漢字のみで書かれた具注暦に対して,主としてかなを用いている暦。平安時代の末期のころ発生したと推定されるが,現存する最古の仮名暦は1226年(嘉禄2)の暦である。初めは具注暦をそのままかな交りにしたような形式であったが,しだいに独自の発展をした。仮名暦の出現によって暦は一般庶民のものとなり,各地に暦師の勃興を促し広範囲に普及していった。仮名暦はふつうはひらがなであるがまれには片仮名暦もある。【内田 正男】

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大辞林 第三版の解説

かなごよみ【仮名暦】

昔、仮名で書いた暦。漢字で書いた暦に対して、女子用のもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

仮名暦
かなごよみ

日本の暦書で仮名書きにしたものをいう。普通は平仮名で書かれるが、片仮名書きのものもある。漢字ばかりで書かれた具注暦(ぐちゅうれき)に対して平仮名書きのものを草(そう)暦ともいう。平安時代末期ごろから手書きの仮名暦が発生し、仮名の普及に伴って一般庶民の間に広まった。需要の増大とともに各地方に暦を版行する暦師が発生した。今日知られている地方版暦には、京都の大経師(だいきょうじ)・院経師(いんきょうじ)の京暦、奈良の陰陽師(おんみょうじ)の版になる南都暦、伊勢(いせ)丹生(にゅう)の丹生暦、泉州信太(しのだ)の泉州暦、伊勢山田の外宮(げくう)および宇治の内宮の暦師の版行する伊勢暦、伊豆三島の三島暦、江戸の暦問屋の江戸暦、会津若松の会津暦、鹿児島の薩摩(さつま)暦、幕末になると仙台暦、秋田暦など。これらは貞享(じょうきょう)改暦(1684)以後は公に認められた暦である。ほかに大宮暦(埼玉県大宮)、大坂暦など名称だけ残って実物の現存しない幻の暦もあった。[渡辺敏夫]
『渡辺敏夫著『日本の暦』(1976・雄山閣出版)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

かな‐ごよみ【仮名暦】

〘名〙 仮名で書いた暦。当初、漢字で書いた真名暦・具注暦に対して女子用のものとして発生したが、のち暦の主流を占め、版暦として流布した。通常は平仮名を主とし僅かに漢字を用いるが、まれに片仮名のものもある。
※宇治拾遺(1221頃)五「なま女房のありけるが、人に紙乞ひて、そこなりけるわかき僧に、仮名暦書きてたべといひければ」

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世界大百科事典内の仮名暦の言及

【暦】より

…ふつう暦という場合,暦法のことをいうこともあるが,ここでは暦本について述べる。暦にはその内容によって具注暦と仮名暦があり,ごく特殊なものとして七曜暦がある。暦を一般に頒(わか)ち配ることを頒暦(はんれき)というが,ふつうは頒暦といえば仮名暦のことである。…

※「仮名暦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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