日本の暦書で仮名書きにしたものをいう。普通は平仮名で書かれるが、片仮名書きのものもある。漢字ばかりで書かれた具注暦(ぐちゅうれき)に対して平仮名書きのものを草暦(そうれき)ともいう。平安時代末期ごろから手書きの仮名暦が発生し、仮名の普及に伴って一般庶民の間に広まった。需要の増大とともに各地方に暦を版行する暦師が発生した。今日知られている地方版暦には、京都の大経師(だいきょうじ)・院経師(いんきょうじ)の京暦、奈良の陰陽師(おんみょうじ)の版になる南都暦、伊勢(いせ)丹生(にゅう)の丹生暦、泉州信太(しのだ)の泉州暦、伊勢山田の外宮(げくう)および宇治の内宮の暦師の版行する伊勢暦、伊豆三島の三島暦、江戸の暦問屋の江戸暦、会津若松の会津暦、鹿児島の薩摩(さつま)暦、幕末になると仙台暦、秋田暦など。これらは貞享(じょうきょう)改暦(1684)以後は公に認められた暦である。ほかに大宮暦(埼玉県大宮)、大坂暦など名称だけ残って実物の現存しない幻の暦もあった。
[渡辺敏夫]
『渡辺敏夫著『日本の暦』(1976・雄山閣出版)』
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…ふつう暦という場合,暦法のことをいうこともあるが,ここでは暦本について述べる。暦にはその内容によって具注暦と仮名暦があり,ごく特殊なものとして七曜暦がある。暦を一般に頒(わか)ち配ることを頒暦(はんれき)というが,ふつうは頒暦といえば仮名暦のことである。…
※「仮名暦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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