三崎半島 (みさきはんとう)
香川県西部,瀬戸内海に北西に突出した半島。三豊市に属するが,かつて荘内村の領域であったため荘内半島ともいう。東の備讃瀬戸と西の燧(ひうち)灘を分ける。半島の最高峰で開析溶岩台地の紫雲出(しうんで)山(352m)はかつて島で,のちに陸繫島となり現在の半島となった。山頂からは右に塩飽(しわく)諸島,左に伊吹島の孤立する燧灘を望み,瀬戸内海国立公園を代表する景勝地である。この山頂には弥生時代中期の高地性集落である紫雲出遺跡がある。半島には浦島太郎をめぐる地名伝説があり,紫雲出山を中心とする島はかつて浦島と呼ばれていた。〈家浦〉が太郎の父の里で,太郎は〈生里(なまり)〉で生まれ,〈箱崎〉から竜宮に行き,〈積(つむ)〉に帰って玉手箱をあけたところ煙がたなびいたのが紫雲出山という。毎年,浦島祭が催される。かつてはジョチュウギクや赤トウガラシが特産であったが,現在は切花の露地栽培が盛んである。1973年に荘内自然休養村に指定され,釣り,潮干狩り,海水浴などが楽しめるレジャー施設ができ,民宿も多い。
執筆者:坂口 良昭
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三崎半島
みさきはんとう
香川県北西海岸に突出する半島。荘内半島(しょうないはんとう)ともいう。三豊市に属する。長さ約13キロメートル。幅3~4キロメートルで、備讃(びさん)瀬戸と燧灘(ひうちなだ)を分ける。花崗(かこう)岩からなり、最高は紫雲出山(しうんでやま)の352メートル。山地がちで海岸も急崖(きゅうがい)が多い。半島の中南部にある大浜集落は砂州上にあり、大浜以西は陸繋(りくけい)島であることを物語っている。陸繋部分は浦島伝説の地で、生里(なまり)は浦島太郎の誕生地、箱崎はカメに乗って竜宮へ出発した所、箱(はこ)は玉手箱を開けた所、紫雲出山は玉手箱の煙のたなびいた所といわれる。竜宮踊りも残っている。紫雲出山山頂には高地性弥生(やよい)集落跡が発見され、展示館がある。
全国屈指のトウガラシの産地であったが、最近は花卉(かき)栽培が盛んになっている。JR予讃(よさん)線詫間(たくま)駅などから箱地区までバスの便がある。
[坂口良昭]
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世界大百科事典(旧版)内の三崎半島の言及
【佐田岬半島】より
…愛媛県西部,豊予海峡(速吸(はやすい)瀬戸)に突出した全長40kmの半島。三崎半島ともいう。古来〈三崎十三里〉といわれ,日本一狭長な半島として有名である。…
※「三崎半島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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