三浦浄心 (みうらじょうしん)
生没年:1565-1644(永禄8-正保1)
江戸初期の仮名草子作者。名は茂正,通称は五郎左衛門。相模国の三浦道寸(義同)の同族で,北条氏政に仕えた武士であったが,主家滅亡ののち江戸に出て商人となる。のち天海僧正に帰依し,入道して浄心といい,三五庵木算入道の戯号を用いた。慶長年間の世相の見聞を記した《慶長見聞集》の著者として知られるが,ほかに《北条五代記》《順礼物語》《見聞軍抄》《そぞろ物語》の著がある。とくに《そぞろ物語》(1641)は,慶長の江戸の風俗を克明に書いているが,歌舞伎,元吉原の遊女町,湯女,遊女の西国への追放などを記して,風俗資料としても貴重なものである。
執筆者:野田 寿雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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三浦浄心
没年:正保1.3.12(1644.4.18)
生年:永禄8(1565)
江戸時代の仮名草子作者。名は茂正,五郎左衛門と称する。浄心は法名。小田原の北条氏政に仕える武士であり,天正18(1590)年の小田原籠城を経験する。北条氏の滅亡後は江戸で商人となり,のちには天海僧正に帰依している。浪人をしていた江戸で,見聞した事柄を書き記したものが『慶長見聞集』であり,130を超える項目を有する。浄心にはほかに,北条氏にかかわる話を中心とした『北条五代記』,遊女に関係する話を集めた『そぞろ物語』(ともに1641年刊)などがある。いずれも資料として貴重。
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
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三浦浄心 みうら-じょうしん
1565-1644 江戸時代前期の仮名草子作者。
永禄(えいろく)8年生まれ。北条氏の臣。小田原落城ののち江戸で商人となり,晩年は天海に帰依(きえ)。江戸の世相を記録した「慶長見聞集」,軍記「北条五代記」,遊里事情「そゝろ物語」などをあらわした。寛永21年3月12日死去。80歳。名は茂正。通称は五郎左衛門。別号に三五庵,木算。
出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の三浦浄心の言及
【慶長見聞集】より
…江戸初期の見聞記。[三浦浄心]作。1614年(慶長19)刊。…
※「三浦浄心」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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