三清山国立公園(読み)さんせいざんこくりつこうえん

世界遺産詳解 「三清山国立公園」の解説

さんせいざんこくりつこうえん【三清山国立公園】

2008年に登録された世界遺産(自然遺産)。中国南西部の江西省、上海の南西約480kmの位置にある中国を代表する景勝地の一つで、古くから道教聖地として有名である。ここは1988年に、中国政府により国家重点風景名勝区に指定された。この国立公園の名前になっている三清山は、玉京峰、玉華峰、玉虚峰を指す(最高峰は標高1816.9mの玉京峰)。この3つの峰は、道教の始祖玉清、上清、太清が頂上に座る姿に見立てられた。これが三清山の名前の由来でもある。この一帯地形は、ヒマラヤ造山活動の末期に形成されたもので、10億年前の地層が残っている。また、三清山は花崗岩でできており、長い年月をかけて、この花崗岩が浸食され、独特の稜線や多数の石柱群を造り出した。こうした独特の地形が遠近の変化に富んだ景観を生み出し、刻々と変化する天候により幻想的な光景を見せることから、古くから景勝地として、文人墨客に愛されてきた。また、この一帯は、亜熱帯性気候と海洋性気候の両方の影響を受け、豊かな植生を保っている。◇英名はMount Sanqingshan National Park

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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