三災(読み)サンサイ

デジタル大辞泉 「三災」の意味・読み・例文・類語

さん‐さい【三災】

仏語。3種の災厄住劫じゅうこう減劫に起こる刀兵災・疾疫災・飢饉ききん災の小三災と、壊劫えこうの終わりに起こる火災水災風災大三災

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精選版 日本国語大辞典 「三災」の意味・読み・例文・類語

さん‐さい【三災】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。
  2. 世界が壊滅する劫末(ごうまつ)のときに起こるという三つの災害。減劫の終わりに起こる刀兵災・疾疫災・飢饉災を小三災といい、壊劫(えこう)の終わりに起こる火災・水災・風災を大三災という。
    1. [初出の実例]「牟尼之日久隠、慈尊之月未照、近於三災之厄、没於五濁之深」(出典:大日本国法華経験記(1040‐44)上)
  3. 一般に、水災・火災・兵災をいう。〔書言字考節用集(1717)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三災」の意味・わかりやすい解説

三災
さんさい

仏教用語。仏教では,世界は成立期(成劫),存続期(住劫),破壊期(壊劫),空漠期(空劫)の 4期(→四劫)が無限に循環するとされ,存続期に人々のうえに現れる 3種の災厄(小の三災)と,破壊期の終末に世界を破壊する 3種の災厄(大の三災)とをいう。小の三災とは,刀兵災(互いに凶器で殺害する),疾疫災(悪病が流行する),飢饉災(干魃による飢饉)の三つ。大の三災とは,火災,水災,風災の三つ。

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