出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
人を殺傷しうる器具。凶器には、銃砲・刀剣類のように、本来人を殺傷するために作製された性質上の凶器と、鉄棒・包丁・ナイフのように、その用法によっては人を殺傷しうる用法上の凶器の区別がある。この区別を前提として、かつて治安警察法や行政執行法などは、性質上の凶器を「戎器(じゅうき)」、用法上の凶器を「凶器」とよんでおり、両者をあわせて広義の凶器とよんでいた。現行法では前記のような用語上の区別を行っていないが、凶器(兇器)の用語は多くの法律で用いられている(刑法208条の3のほか、破壊活動防止法40条3号、暴力行為等処罰ニ関スル法律1条、盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律1条1項2号、2条1号、刑事訴訟法212条2項2号など)。これらの法律における凶器の意義については、性質上の凶器のみならず、用法上の凶器をも含むものと解するのが一般である。このうち、とくに刑法第208条の3の凶器準備集合罪・凶器準備結集罪において、凶器の意義とその限界事例がとくに問題となる。
[名和鐵郎]
…器物の外見のみをかたどり実用にたえない品物を,中国では明器と呼んだ。先秦時代の古典でしばしば言及され,現実生活で用いる正器,祭器に対して貌器(ぼうき)(形をかたどるもの),鬼器(死者のための器)と理解され,凶器,蔵器,秘器などとも呼ばれ,現代の中国考古学でも踏襲されている。明器は時代によって内容構成と表現方法を異にしながら,俑(よう)とともに副葬品として古代から明・清時代まで長く行われた。…
※「凶器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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