三社(読み)さんしゃ

精選版 日本国語大辞典 「三社」の意味・読み・例文・類語

さん‐しゃ【三社】

〘名〙 (「さんじゃ」とも)
① 国として特に崇拝した三つ神社。多く、伊勢神宮石清水八幡宮賀茂神社、または、伊勢神宮・石清水八幡宮・春日大社をさす。
※日本紀略‐寛和二年(986)一一月一日「於八省院遣三社幣使、〈伊、石、賀〉」
② 同じ神社の境域内にある、おもだった三つの社。熊野三社の類。
太平記(14C後)二四「三千の大衆、憤斜ならず。されば嗷訴(がうそ)に及ぶべしとて〈略〉三社(さんシャ)神輿を中堂へ上奉り」
③ (さんじゃ) 東京都台東区浅草にある浅草神社俗称。同神社は明治六年(一八七三)現社名に改称されるまでは、三社権現、三社明神と称していたところから、この名がある。
※東京風俗志(1899‐1902)〈平出鏗二郎〉上「神社大祭日表〈略〉浅草神社 三社」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「三社」の意味・読み・例文・類語

さん‐しゃ【三社】

《「さんじゃ」とも》三つの神社。特に、伊勢神宮石清水いわしみず八幡宮賀茂神社(または春日大社)をさす。
三つの会社

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「三社」の解説

三社
さんじや

南東は長土塀ながどへい、北は勝尾かつお町、西は藺田いいだ町に囲まれた一帯総称。延宝四年(一六七六)の記録(改作所日記)に「宮腰口三社」とあるように、旧宮腰みやこし往来城下町口の南側にあたる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

とっさの日本語便利帳 「三社」の解説

三社

▽伊勢神宮、石清水八幡宮、賀茂神社または春日神社

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

世界大百科事典(旧版)内の三社の言及

【春日大社】より

…春日野には東西両塔が並立,社頭近く談義屋や祈禱屋などが続出,1178年(治承2)の造替には従来の板垣を改め,神殿や社殿をそれぞれ回廊で囲い,これに楼門を設け,釣灯籠や石灯籠をかざった。なお,天児屋根命の天照大神に対する補佐の神功が神国思想の勃興とともに語られ,春日社は国家の宗廟たる伊勢神宮,石清水八幡宮と並んで三社と称せられ人気をあげた。当代,興福寺は大和守護職として大和を支配,なお,春日社の末社が広く各地に普遍,神仏習合の春日信仰を語る芸能,神鹿・社寺を描いた《春日曼荼羅》や春日験記絵ないし三社神号(三社託宣)軸などが流布する。…

※「三社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android