三貨(読み)さんか

精選版 日本国語大辞典 「三貨」の意味・読み・例文・類語

さん‐か‥クヮ【三貨】

  1. 〘 名詞 〙 金貨銀貨銭貨三種貨幣

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三貨」の意味・わかりやすい解説

三貨
さんか

金、銀、銭の3種の貨幣。江戸幕府はこれを正貨とし、交換比率を金1両=銀50匁(のち60匁)=銭4貫文と定めた。

[編集部]

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「三貨」の解説

三貨
さんか

金・銀・銭の3種類の貨幣。銭は古くから流通したが,金銀の貨幣的使用は,戦国期に金銀山の開発とともに一般化した。江戸幕府はまず金銀貨を発行して三貨の交換比率を公定し,のち銭(寛永通宝)を大量発行した。通貨の基本は計数貨幣の金貨,秤量(しょうりょう)貨幣の銀貨で,銭はおもに小払いに使われた。江戸後期には南鐐(なんりょう)二朱銀など,金貨の単位をもつ銀貨も鋳造された。

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百科事典マイペディア 「三貨」の意味・わかりやすい解説

三貨【さんか】

金・銀・銭(ぜに)の3種類の貨幣。古くは銭が用いられていたが,安土桃山時代に金・銀貨が加わった。江戸時代,金・銀・銭を発行したが金銀貨中心で,銭は補助貨幣とされた。交換比率は1609年金1両=銀50匁=銭4貫と公定されたが,1700年金1両=銀60匁と改められ,以降も時期により変動があった。

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旺文社日本史事典 三訂版 「三貨」の解説

三貨
さんか

江戸時代,金・銀・銅(銭)3種の通貨の総称
幕府は1609年に三貨の換算率を金1両に対し銀50匁 (もんめ) ,銭4貫文と公定したが,相場は絶えず変動した。

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世界大百科事典(旧版)内の三貨の言及

【米価】より


[近世]
 近世に入ると,江戸,大坂のような大都市が急成長し,地方でもあらたに城下町が建設されて,米の消費市場が拡大したうえに,貢租が米の量で表される石高で統一され,領主は貢租収入の基本となった米の自家消費以外の余剰分を販売・換金する必要が生じたので,米価の動向は近世経済にとっていちだんと意義深いものとなった。一方,貨幣制度は,幕府があらたに金・銀・銭の三貨を鋳造し,相互の交換割合を公定したので,前代までの複雑な貨幣流通は一掃された。しかし,米価表示は,江戸を中心とする東日本では金貨を中心として,金1両につき何石何斗何升,京・坂を中心とする畿内周辺では銀貨を中心として,米1石につき銀何拾何匁,中央地帯から遠隔の東北や西南日本の一部では中世から引き続き銭貨が基本通貨となり,米1石につき銭何貫何百文というように,三貨が併存し,近代的な貨幣制度統一にはいま一歩の状態であった。…

※「三貨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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