化学辞典 第2版 「三酸化二クロム」の解説
三酸化二クロム
サンサンカニクロム
dichromium trioxide
Cr2O3(151.99).酸化クロム(Ⅲ)ともいう.二クロム酸アンモニウムまたは二クロム酸カリウムと塩化アンモニウムの混合物の熱分解,または,水酸化クロム(Ⅲ)の脱水で得られる.無定形の緑色の粉末.密度5.21 g cm-3.昇華させたものは黒色ないし暗緑色の結晶.単結晶は半導体.融点約2300 ℃,沸点約3000 ℃.きわめて安定で赤熱しても水素で還元されない.硫黄,硫化水素によっても変化を受けず,水,酸,アルカリに不溶.顔料(クロムグリーン),ガラス・陶磁器の着色剤,研磨剤,触媒などに用いられる.[CAS 1308-38-9]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報