三障(読み)サンショウ

デジタル大辞泉 「三障」の意味・読み・例文・類語

さん‐しょう〔‐シヤウ〕【三障】

仏語。
修行とその前段階の善根を妨げる三つのさわり。煩悩障(貪欲・瞋恚しんい愚痴の惑い)・業障ごっしょう(五逆十悪の業)・報障地獄餓鬼畜生苦報)。
煩悩をからだの部位にたとえたもの。皮煩悩障(現象的な事物にとらわれる惑い)・肉煩悩障(誤った見解にとらわれる惑い)・心煩悩障(事象道理を理解できないための惑い)。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「三障」の意味・読み・例文・類語

さん‐しょう‥シャウ【三障】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。
  2. (イ) 正道やその前段階である善根をさまたげる三つのさわり。煩悩障(ぼんのうしょう)(貪欲、瞋恚(しんい)、愚痴(ぐち)などの煩悩)と業障(ごうしょう)(五逆、十悪などの行為)と報障(異熟障すなわち地獄、餓鬼、畜生の苦報など)をいう。
    1. [初出の実例]「開闢以来、登遐聖霊、灑薫修之雨、清三障之垢」(出典:日本三代実録‐貞観元年(859)四月一八日)
    2. [その他の文献]〔梁簡文帝‐又請御講啓〕
  3. (ロ)(ひ)煩悩障、肉(にく)煩悩障、心(しん)煩悩障のように煩悩を身体の部分にたとえて、修惑・見惑・根本無明の三つをもいう。
  4. (ハ) 我慢重障、嫉妬重障、多貪多欲(たとんたよく)重障をもいう。

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世界大百科事典(旧版)内の三障の言及

【拍手】より

…最初の2度は軽く手を合わせるだけで,最後は音をだして打つ。3度打つのは修行のさまたげになる惑(わく)・業(ごう)・苦(く)の三障(さんしよう)を取り除くことを意味する。神道では神拝作法で,ひらで(開手,平手),やひらで(八開手),てうち,かしわでともいう。…

※「三障」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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