上殿古墳(読み)うえどのこふん

日本歴史地名大系 「上殿古墳」の解説

上殿古墳
うえどのこふん

[現在地名]天理市和爾町

集落の東北約二〇〇メートルの台地北端にある。俗にクソ塚ともよばれる。以前から墳丘は破壊されていたが、昭和三四年(一九五九)三月、採土作業に際して緊急調査が実施された。古墳は直径二三メートルの円墳で二段の円筒埴輪をめぐらして葺石を葺き、墳頂部には中央に家形埴輪を置き、下底に直径五センチの円孔のある壺形土器で主体上部を囲んでおり、小規模ながらきわめて整備された外部施設をもっていた。

主体部は粘土槨に長さ六メートル、幅七五センチの割竹形木棺を埋納したらしい。すでに盗掘によって大破壊を受けており、上層の攪乱土層中より鍬形石片・石釧片・管玉等が検出されたのみであるが、棺外から粘土に覆われて埋置されていた大量の遺物がほぼ原状を保って出土した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android