上鴫村(読み)かみしぎむら

日本歴史地名大系 「上鴫村」の解説

上鴫村
かみしぎむら

[現在地名]芳井町上鴫

下鴫村の北にあり、東はやま村。西は備後国安那やすな山野やまの(現広島県福山市)、東流する鴫川左岸、標高四〇〇メートル前後の高原たかわら台に集落がみられる。断層谷を形成し急崖で石灰岩地帯である。台地上の頂上高原城跡がある。「備中誌」は城主を小畠直重と記す。同書によれば、直重は関東管領上杉顕定の次男で、のちに大内氏の幕下となり同城に拠り、備中に勢力があったという。

寛永備中国絵図には山崎家治先知とみえ、高二七五石。正保郷帳では幕府領で、枝村に日田野村・多井脇村・ひさし村(日指)がある。延宝五年(一六七七)検地帳(後月郡誌)では古検反別四九町八反余とあり、田方一一町七反余・分米一四二石余、畑方五七町六反余・分米二九〇石余、屋敷数は一三三で二町二反余・分米二二石余、紙漉役銀八二匁(厚紙一六束四帖分)・山椒年貢銀一匁三分(五升分)・栗年貢銀七匁五分(三升分)を上納し、ほかに茶四九四株・楮七千八五二株・漆三一本の栽培が記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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