下国府遺跡（読み）しもこういせき

日本歴史地名大系

下国府遺跡
しもこういせき

• 新潟県：佐渡郡
• 真野町
• 竹田村
• 下国府遺跡

[現在地名]真野町竹田 下国府

竹田（たけだ）低位段丘舌状部標高一二メートルに立地。昭和五〇年（一九七五）圃場整備工事により発見された古代官衙遺構。遺構は真北から三五度西に偏した規格で構築される。外堀は長さ三六メートルに三四メートル、幅二・二メートル。内堀は長さ二六メートルに二四メートル、幅六〇センチ。堀の間隔は三メートルほどで築地部分である。内部の建物跡は方形で柱穴が二〇個検出された。東西に軸をもち南北に並び二棟分である。いずれも桁行三間（八・四六メートル）、梁間二間（第一棟は四・九四メートル。第二棟五・三五メートル）で屋根材檜皮を出土。南門・西門の柱穴も出土。柱穴は複合せず一時期の築造のみである。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」

国指定史跡ガイド

しもこういせき【下国府遺跡】

新潟県佐渡市竹田にある国府跡とみられるいせき。小佐渡山系から国仲平野に突き出した舌状台地の先端部に位置する。1975年（昭和50）の発掘調査で、二重の溝によって方形に囲まれた内部に、2棟の掘立柱建物を配置した特異な遺構が確認されるとともに、9世紀前後と考えられる遺物が多量に出土し、1976年（昭和51）に国の史跡に指定された。外濠は、幅1.4m、南北36m、東西32mの範囲を囲み、内濠は、幅0.2m～0.7mの細い溝であり、外濠とほぼ各辺を平行させて、南北26m、東西23mの長方形の範囲を囲んでいる。この遺跡の所在地は、南に佐渡国分寺や総社、北に条理状地割、西に奈良時代の屋瓦をともなう礎石建物遺構などがあることや、「元禄検地帳」に「下国府」の名があることなどから、佐渡国府に関連する重要な遺跡であるといわれている。両津港から車で約30分。

出典　講談社