下平川村(読み)しもひらかわむら

日本歴史地名大系 「下平川村」の解説

下平川村
しもひらかわむら

[現在地名]小笠町下平川

棚草たなくさ村の西に位置し、牛淵うしぶち川が流れる。北方同川上流は上平川村。村内で秋葉街道(信州街道)と横須賀道が交差する。永正一〇年(一五一三)八月二八日、今川氏親が松井宗能に下平河を給与している(「今川氏親判物写」土佐国蠧簡集残篇)。永禄三年(一五六〇)一二月九日、松井宗恒は今川氏真から所領所職を安堵され、なかに「下平河替地余」が含まれている(「今川氏真判物写」同書)。今川氏没落後の元亀三年(一五七二)一二月一六日、松井宗恒は武田晴信から安堵を受け、なかに「下平河散田地」が上平河に合算されて六〇貫文と掲げられる(「武田晴信判物写」同書)。現在下平川地区に遺構の残るつつみ城は松井氏の居城と伝えられ、また松井氏は同所の青龍せいりゆう院を建立している。一方永禄七年三月五日、今川氏真は都筑秀綱に恩賞を与え、なかに「下平河之内朝比奈八郎次郎分」がみえる(「今川氏真判物」都筑家文書)


下平川村
しむびようむら

[現在地名]知名町下平川しもひらかわ

芦清良あしきゆら村の北東に位置し、隆起珊瑚礁の段丘上に形成される。地名の下平川は隣接の上平川に呼応して命名されたと考えられ、本来はユシキャで、西部のドリネにある湧水ユシキャ川(良い川)に由来するという。琉球王国時代から大城ふうぐすく間切のうちであったと考えられ、正保琉球国絵図に「大城間切之内下平川」とみえ、シモヒラカワの訓が付される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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