信州街道(読み)しんしゆうかいどう

日本歴史地名大系 「信州街道」の解説

信州街道
しんしゆうかいどう

日本海沿いに走る北陸道から糸魚川町で分岐し、ほぼひめ川に沿って南下、信州小谷おたり(現長野県北安曇郡小谷村)を経て松本まつもと(現同県松本市)へ至る道。姫川西岸の道筋では虫川むしかわに、東岸では根知ねち谷の山口やまぐちに番所が置かれていた。信州側からは糸魚川街道とよばれ、古くは仁科にしな街道・千国ちくに街道・小谷街道ともよばれ、松本街道ともいう。姫川上流に特産する翡翠と信州和田わだ(現小県郡和田村と諏訪郡下諏訪町の境)特産の黒曜石でつくられた石器の交流が確認されることから、この街道の起源は石器時代にさかのぼると思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「信州街道」の意味・わかりやすい解説

信州街道
しんしゅうかいどう

静岡県中部,萩間川の河港であった相良港から長野県飯田市にいたる旧街道。遠江 (とおとうみ) 東部の年貢米積出しをした相良から牧之原台地掛川 (東海道との交点) ,森,春野を経て,秋葉山付近から天竜川沿いに北上し,長野県との県境青崩峠を越え,小川路峠を経て飯田市にいたる。古くから遠州-信州を結ぶ「塩の道」であった。海岸地方と山地を結ぶ重要な街道で,掛川-秋葉山の区間と,信州の地域内は秋葉街道とも呼ばれた。現在は,飯田-秋葉山付近は国道 152号となっているが,青崩峠付近は車輌通行困難,秋葉山付近以南は衰微している。

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世界大百科事典(旧版)内の信州街道の言及

【遠江国】より

…袋井はやや遅れるものの,おそらくは白須賀も含めて,他の宿駅は関ヶ原の戦の翌1601年(慶長6)に設置されており,幕府開設以前であることからも,東海道を重視した徳川氏の意欲がうかがわれる。また東海道の脇往還として,浜名湖の北部を通る本坂道(通称姫街道)があり,さらに秋葉山から水窪(みさくぼ)を通り,青崩峠を越えて伊那に至る信州街道(秋葉街道)も,地方道として重要であった。遠州からは魚や塩などの海産物,信州からは米や茶などがもたらされた。…

※「信州街道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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